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動物の虐待に関する法律について

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報道によれば、さいたま市の全盲の男性が飼う盲導犬が7月下旬、鋭利なもので刺されたとみられるけがをしました。日々の暮らしの中で、むやみにほえないよう訓練されており、その場で鳴くのは我慢した可能性があるといわれています。日常生活では起こり得ない傷であるため、背後から刺された可能性があるとみて、事件性を認め、器物損壊容疑で捜査を開始しました。今回は動物の虐待について、どのような法律があるかについて取り上げたいと思います。

他人の所有する動物を故意に殺傷した場合には、刑法261条の器物損壊罪が適用されます。

器物損壊罪は、「他人の物」を「損壊又は障害」した場合に適用され、3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

愛するペットが「物」であるという扱いに違和感を覚える方も多いと思われますが、残念ながら、刑法においてはペットは「物」として扱われています。

器物損壊罪はあくまでも他人の所有するペットを殺傷した場合に適用される法律ですので、自分のペットを虐待しているような場合や、持ち主のいない動物(野良猫等)を虐待しているような場合は、刑法では処罰されません。この場合には、「動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護管理法」といいます。)という特別法違反となります。

愛護動物をみだりに殺傷した場合は、2年以下の懲役又は200万円以下の罰金が課せられます(動物愛護管理法44条1項)。また、愛護動物に餌等を与えず衰弱させたりする等の虐待をした場合や、愛護動物を捨てた場合には100万円以下の罰金が課せられており(同法同条2項、3項)、動物愛護法では、器物損壊罪では罰せられない「虐待」についても処罰できるようになっています。

判例によれば、態様により異なりますが、虐待(殺傷を含む)の場合は懲役6ヶ月(執行猶予3年)又は罰金20万円~30万円が課されることが多く、遺棄の場合には罰金10万円~20万円が課されることが多いという傾向にあるようです。

動物愛護管理法は、昨年9月に改正され、罰則が2倍に強化されましたが、ペットの埋葬業者に関する規制や、実験動物の扱い等についての定めがなく、解決すべき課題があります。社会状況の変化に応じて5年ごとに見直すことが決められていますので、今後の内容の進化が望まれているところです。

以上のように動物に危害を加えた場合には、法律による厳しい処罰が存在します。しかし、法律の規制によることなく、動物に対して優しい社会でありたいものです。

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動物の虐待に関する法律について

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