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北京発「スクープ」 慰安婦は24時間で380人を相手にした?

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 いま韓国でこぞって報じられている北京発の“スクープ情報”がある。8月20日、中国の人民日報ネット版がこんな記事を発信した。

〈慰安婦は1日380人の日本兵を相手にしていた〉

 翌日、韓国の通信社「聯合ニュース」が転電する形で大きく報じたため、テレビ局のニュースやネットメディアなど、一気に全国に広まった。人民日報の記事によると、日本人作家の千田夏光氏(故人)の中国語版『従軍慰安婦』の中に、次のような記述があったという。

〈第2次世界大戦当時、日本軍に連行された慰安婦が1日に300人以上の日本兵を相手にしたという証言が日本軍の生存者から出てきた〉

 この生存者N氏は1942年1月末、パプアニューギニア領ニューブリテン島の州都ラバウルに上陸した4000人の日本軍部隊の生存者だという。同書には、〈(慰安婦の前に)兵士が並んだ列は3キロにもなった。3キロというのは3000人以上の兵士が並んだという意味〉〈女性はわずか10人に過ぎず、彼女らは一日中兵士を相手にする必要がありました〉というN氏の証言が紹介され、〈慰安婦1人が1日に平均370~380人の兵士を相手にしたという状況が、どのように悲惨なことか想像もつかない〉とまとめられているという。

 慰安婦問題に詳しい西岡力・東京基督教大学教授がこう語る。

「最初に“従軍慰安婦”という造語をつくった元毎日新聞記者の千田夏光氏は、吉田清治氏と並ぶいわく付きの人物として知られています。すでに同書の記述内容についても、はっきりしているだけで63か所の誤りが指摘されています。

 たとえば、千田氏が最初に唱えたとされる『従軍慰安婦20万人』説。これは韓国の新聞に書かれていた“挺身隊として勤労動員された女性は20万人に上った”という話を、“慰安婦として20万人の女性が募集された”と曲解したものです。もちろん、事実でないことがすでに判明しています」

 朝日新聞の虚報を執筆した植村隆記者が挺身隊と慰安婦を混同したのも、国連人権委員会の「クマラスワミ報告」にある性奴隷20万人という数字も、元を辿れば千田氏の著作に行きつくのだという。それでは、ラバウルにおける「1日380人相手」説には信憑性があるのだろうか。

「ラバウルでそのようなことがあったという文献や他の証言は私の知る限り存在しません。そもそも1日380人を相手にするとなれば、女性は1人につき4分弱で24時間相手しなければならない。あまりに非現実的です」(西岡氏)

 日本の専門家や研究者であれば、情報の出所を聞けば信憑性が判断できる代物なのだが、中国や韓国内でそのような疑問を呈したメディアはない。

 自分たちに都合がいい他国の報道をそのまま引用して、内容を検証することなく大騒ぎする──その構図は朝日の記事を引用する形で“慰安婦問題”を世界に拡散した過去のやり方とまったく同じだ。韓国メディアには自分で取材する能力さえないのか。

※週刊ポスト2014年9月12日号


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