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辞めた会社に「出戻り」する 日本企業は「ブーメラン社員」を許せるか?

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日本企業では一度退職した社員が再び復職するケースは、ほとんど聞かれない。忠誠心の薄い「裏切り者扱い」されることもあるし、「新卒生え抜き中心」の評価制度に齟齬が出てしまう点も問題視される。

しかし米国の研究によると、一度ほかの会社に転職して出戻ってきた「ブーメラン社員」は、新規採用者よりも会社に対する貢献度が高い傾向にあるのだそうだ。もしそれが本当なら、社外の人材を呼び戻したい経営者もいるのではないか。

米研究は「企業文化の理解」を評価

この研究は、イリノイ大学のブラッド・ハリス教授が発表したもの。米国のビジネス情報サイト「Inc.」によると、ハリス教授はブーメラン社員が会社にとって有用である理由を、このように述べているそうだ。

「なぜなら、彼らは会社の文化を理解しているし、隣の芝生がいつも青いわけではないことを実際に学んでいるからです」

隣の芝生が青くないことを知れば、目の前の仕事に専念してくれる。社外から人材を新たに呼ぶより、会社の文化を理解する人の方が会社になじみやすく、成果もあげやすいということだ。

ただしこうした「ブーメラン社員」は、辞めてからあまり年月が経っていない方が望ましい成果を上げやすいという。また採否を判断するに当たっては、辞める前や後にどのような業績を上げていたかを踏まえるべきだという。

そもそも会社を辞めるのは、仕事に不満があった場合だけではなく、妊娠や配偶者の転勤など個人的な事情もある。実際、日本でもこのような理由で「ブーメラン社員」を受け入れた例がある。

現在野村ホールディングスの執行役を務める中川順子氏は、新卒で野村證券に事務職として入社。職種転換制度で東京に異動し、財務部課長にまでなったが、入社16年目で夫の香港転勤へ同行するため退社。帰国後、会社に頼まれ野村のグループ子会社に入社。子会社社長を経てホールディングスの要職に就任した。

建設・農業機械のクボタでも、出産や介護などの退職事由が解消した後で再入社できる「リ・エントリー制度」を2012年9月から設けている。ITビジネス支援を行うミツエーリンクスの「ブーメラン制度」は、再入社の際に「勤務当時の給与を保証し、かつキャリア部分を上乗せ」するという。

退職者には「意思の弱さや決断力の甘さ」がある?

しかし一般的には、「ブーメラン」を許容する土壌があるとは言い切れない。オールアバウトnewsdigの「辞めた会社に再就職ってアリ?」という2択調査では、「あり」と「なし」が50%ずつ真っ二つに意見が分かれている。

「あり」派は前出のハリス教授と同じく、「会社の文化が分かっている」ことを理由に挙げる人が多い。転職先でも成果を上げていて、なおかつ「戻りたい」という社員がいるなら、社内では培えないスキルを持ち込んでくれることも期待できる。

「競合に行った人間が帰ってきたいと思える会社って、とても魅力的なのではないか。彼が習得した色々な事は、出戻ってきた後の自社にとっての資産になるだろう」
「同じ企業に長くいると見えなくなるようなものが、一度外の世界に出たからこそ見えるようになる。結果として出戻った後に、大きな成果に繋がるようなこともあるだろう」

しかし、「なし」という強い意見を持つ人も存在する。いったん「辞める」と決断した人が「また戻りたい」というのは、その人自身に問題があり、意思の弱さや決断力の甘さを露呈するだけだ、という意見だ。

「なにやっても長続きしないんだから、どうせまたすぐ辞めちゃうんでしょ?」
「覚悟して転職を決断したのであれば、『やっぱり戻る!』という翻意は、社会人としての決断力の甘さを露呈させるだけではないでしょうか」

また、年功序列型の日本企業は「勤労年数に応じて賃金が上がる仕組み」なので、出戻りはなじまないという意見も。みんなガマンしてるんだから、途中で外の空気を吸いに出た人間を同じように扱うのは不公平、ということだろうか。

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