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世界シェア9割! 有名ブランドのサングラスにも使われるホプニック研究所の「偏光レンズ」

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世界に誇る「日本のモノづくり中小企業」を紹介する連載の第1回。メガネの生産で有名な福井県鯖江市にある株式会社ホプニック研究所は、視力矯正用の「高屈折率偏光レンズ」で世界市場シェア9割を超えるレンズメーカーだ。

瞳の色が薄い欧米人は一般的に光のまぶしさを感じやすく、眼を守るために視力に合わせた度付きのサングラスを使うことが多い。同社はまぶしさを感じにくい偏光サングラス用レンズを製造できる技術を強みに、製品の95%を海外に輸出。海外有名ブランドのサングラスにも同社のレンズが使用されている。
競争力の高い製品づくりを可能にする「独自技術」
画像提供:ホプニック研究所

偏光レンズには、レンズの間に挟んだ偏光膜によって光の乱反射を抑制し、まぶしさやギラつきを抑える眼に優しい効果がある。同社の製品を使うと、強い紫外線や可視光線から眼を守ることができる。

同社の製品は汎用品(屈折率1.50)と比べて1.67と高屈折率を誇り、同じ度数のレンズでもより薄く軽くできる。製造には困難も多いが、これを可能にしたのが同社の独自技術だ。高屈折率のプラスチック樹脂に薄さ40ミクロンの偏光フィルムを均一に挿入し、かつ水分による泡を発生することなく成形するところがポイントだという。

世界的に競争力の高い製品を持つ同社が、いま事業拡大に向けて進んでいるのが「調光レンズ」の分野だ。紫外線の量によって色が変わるレンズのことで、室内用とアウトドア用で併用が可能なレンズのニーズが近年高まりつつある。

同社の調光レンズのシェアは国内でも1%未満で、挑戦的な分野になる。今後1~2年の間でこれらのレンズの生産拠点を最も需要の見込めるアジア工場に移し、高品質かつ安価な汎用品を市場に投入する狙いだ。

新製品の開発にも余念がない。パソコンなどからのブルーライトをカットするレンズが近年話題となったが、同社のコントラストレンズは人が一番まぶしいと感じる黄色の光をカット。加齢で濁った視界もハッキリ見えるようになる。他にも、より軽い偏光レンズや、植物を素材とした「エコ」なレンズの開発も進めている。
従業員の半数以上が女性。20代のリーダーも

ホプニック研究所の設立は1988年。代表取締役社長の高木俊治氏は、以前にもいくつかのレンズ製造関連の会社を経営してきたが、

「下請けとして製造だけを受け持つのではなく、商品開発をして市場に送り出すことが必要だ」

と同社を設立。「ホプニック」はHuman Optical Techniciansが由来で、より人間らしく働き研究開発を行う技術力を持つという思いを、「研究所」には、いち早く他社に先駆けた技術開発をしたいという思いを込めている。

同社の従業員数は40名で、半数以上を女性が占める。4人いる課長クラスののうち1人は女性で、女性が活躍していることを理由に入社する社員もいる。

やる気と責任感があれば、入社数年で大きなプロジェクトに関わることもできる。入社4年目の影井さんは、2年目で調光レンズの生産量を10倍に拡大するプロジェクトに参加。1年かけて目標を達成した。商品販売企画室の市村さんは、同社では「20代でリーダークラスに到達するのが理想」であると明かす。

これまでは中途採用のみだったが、今年度から新卒採用を開始した。募集分野は開発・設計、生産技術、管理の3分野で、全体で1~2名程を採用する見込み。化学系の知識があることが望ましい。市村さんは、

「レンズの研究開発や製造技術の向上は、非常に根気のいる仕事。新しい製品を作る際には、実用化に10年近く掛かることもある」

という。会社のコア人材として、モノづくりが好きで、粘り強く周囲の人間を巻き込みながら仕事をしていける人からの応募を期待しているとのことだ。(取材・執筆:早稲田大学大学院ジャーナリズムコース修士2年・林佑香)

※本記事は読者の就職先選びに資する情報として、経済産業省「グローバルニッチトップ企業100選」からキャリコネ編集部が独自に選定した企業を取材したものです。

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