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伝染病を巡る法律について

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 世界保健機関(WHO)は8月8日、西アフリカで感染拡大が続くエボラ出血熱について、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」だと宣言しました。WHOは22日、西アフリカで感染拡大が続くエボラ出血熱に関し、20日までの死者が、感染が疑われるケースを含め計1427人に上ったと発表しました。19日から2日間の死者は77人で、依然速いペースで増えているとのことです。今回は、エボラ出血熱のような感染症に対して法律がどのように規制をしているかについて取り上げたいと思います。

 感染症に関する法律としては、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下、「感染症法」といいます。)」というものがあり、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する措置を定めています。同法では、感染力や罹患した場合の重篤性などに基づいて、感染症を危険性が高い順に5つに分類しています(感染症法6条)。

・一類感染症…エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、ペスト等

・二類感染症…急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、鳥インフルエンザ(H五N一に限る)等

・三類感染症…コレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフス等

・四類感染症…E型肝炎、A型肝炎、狂犬病、鳥インフルエンザ(H五N一を除く)等

・五類感染症…インフルエンザ(鳥インフルエンザ、新型インフルエンザを除く)、後天性免疫不全症候群、梅毒、等

 2009年に流行した新型インフルエンザについては、法6条7項によって感染症指定がなされています。さらに、既に知られている感染症であっても、これらと同等に国民の健康に影響を与えるあたえるおそれがあると認められるものについては、政令により「指定感染症」に指定して対応することになっています(6条6項9号)。

 同法に基づき、都道府県知事は、感染症の種類により、健康診断の勧告や実施(17条)、就業制限の実施をすることができます(18条)。特に危険であるとされている一類感染症については入院の勧告ができ、従わない人については強制的に医療機関に入院させることができることになっています(19条)。もっともこの強制入院については、実質上は実施が難しく、仮に実施させても拘束下治療が行われるわけではないので、実効性がどの程度あるかは明らかでないとされています。

 また、外国人が、一類感染症、二類感染症、新型インフルエンザ等感染症又は指定感染症の患者である場合、入国管理法により日本への上陸が禁止されます(入国管理法5条1項1号)。

 このように、感染症については、法律において予防や拡大を防ぐための規制がなされていますが、最大の予防はウィルスに接触することを避けることです。海外に渡航の予定がある場合には、ニュースや外務省の渡航情報、厚生労働省の検疫所のホームページなどで、渡航先の状況を確認するなど、細心の注意を払うことが重要であると言えるでしょう。

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