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スバル新WRX 「VWのゴルフRも真っ青の出来栄え」と評論家

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 スバルが8月25日に発売した新型スポーツセダンの「WRX」は、富士重工業が<すべてのイノベーションを駆使して開発した>と力説するほど走行・安全性能に自信を持った1台だ。

「スバルの未来を決めるクルマになる」と話すのは、自動車ジャーナリストの井元康一郎氏。発売前に試乗したという井元氏に、WRXの“乗り味”をどの自動車専門誌よりも早くレポートしてもらった。

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「WRX」の名は旧型までは主力モデル「インプレッサ」のスポーツバージョンにつけられていたサブネームだったのだが、新型ではインプレッサから独立させた。海外ではすでにWRXはスポーツカー好きには特別視される名称となっていたこともあり、今回のブランディング戦略を取ったとみられる。

 そのWRXだが、サーキットでの連続走行もこなせる「WRX STI」と、公道でのツーリングが主体の「WRX S4」の2系列がある。

 2リットルターボエンジン+AWD(四輪駆動)という組み合わせは旧型と同様だが、、ハッチバックボディはなくなり、4ドアセダンのみ。その両モデルについて、富士スピードウェイでテストドライブを行う機会があった。

 まずはSTI。富士スピードウェイの本コースに出てみてまず印象的だったのは、サスペンションをはじめ走りを支える部分の柔軟性の高さだ。

 前後245mm幅という、2リットルモデルとしてはきわめて太いスポーツタイヤを履いているのだが、サスペンションがその強力なグリップを受け止めるだけの固さとしなやかにロールするスムーズさを兼ね備えたものに仕上がっており、高速コーナーを攻めこむように走っても不安感を覚えるようなことがない。

 2リットルの直噴ターボエンジンは、最高出力308馬力。数値的にはストリートモデルのS4を8馬力上回るだけだが、パワーカーブのグラフを見るとおよそ5000rpmから8000rpmまでの広い範囲で280馬力以上のパワーを出せるセッティングとなっている。

 車体の安定性がきわめて高いのので緊張を覚えるような速さは感じない。が、6速MTを3速、4速とシフトアップさせるとちょうど8000rpmから6200rpmくらいに回転が落ち、エンジンの最もパワーの出る状態を外すことなく加速ができるように仕立てられており、富士スピードウェイの最終コーナーからの長いストレートでは、あっという間にスピードリミッターが作動する180km/hに到達するダッシュ力を見せた。

 新型WRXでSTIよりさらに興味深かったのは、ストリートモデルという位置づけのS4。最高出力は300馬力だが回転限界は6500rpmとずっと低く、280馬力以上を発生させられる領域もSTIに比べると狭いのだが、ツーリングでは十分なパワーと言える。

 そのS4で出色だったのは、スポーツセダンとして第一級と言える乗り心地の良さだった。

 サスペンション自体はSTIほどではないにせよ300馬力のパワーに負けない固さを持っているのだが、道路のギャップを踏んだ時に小さい上下動の中でその衝撃を実に見事に吸収してくれるため、ドライバーにとっても同乗者にとっても、固さが不快に感じられない。

 足まわりについてはカヤバ製のものと独ビルシュタイン製のものがあるが、価格設定の安いカヤバ製も十分以上の快適さを持っていた。ビルシュタイン製のほうは、フォルクスワーゲン「ゴルフR」など、スポーツコンパクトの本場である欧州メーカーのモデルも顔色を失うのではないかというくらいの、高級スポーツセダン的な仕上がりだった。

 STIとS4からなる新型WRXは、小規模メーカーならではの特別感を出していくというスバルのチャレンジが新しいステージに入りつつあることを予感させるモデルとなっていた。

 絶対性能はもちろん、ドライビングプレジャーの面でも、トヨタとの共同企画のもとで設計された後輪駆動スポーツ「BRZ」のはるかに上を行く仕立てを実現させており、付加価値を高めるうえで欠かすことのできない“テイスト”と呼ばれる感性領域のチューニングを、スバルの実験部隊の見識を総結集して行った痕跡がありありと見られた。

 また、シート表皮に人工皮革アルカンターラを、シートのステッチに赤色の縫い糸を使用したりと、インテリアもこれまでのスバル車とは一味違う高付加価値志向に振られている。

 開発陣は「WRXはコンパクトクラスですが、販売価格ではウチのトップモデル。そのお客様を喜ばせるには、走りの質だけでなく演出も大事と考えて、かつてないくらいに頑張りました」と語る。

 スポーツ性を追求する向きにはSTIだが、S4も経済力があってドライブ好きな若年ユーザーが休日にスーツを脱いでドライブを楽しむにはもってこいのキャラクター。

 他社との競合に勝つことで存在感を増すのではなく、自らの提示する価値観への賛同者を増やすという、日本メーカーでは成功例の少ないアプローチでブランドイメージを上げるというスバルのチャレンジがどう実るか、行く末が楽しみに思われるようなモデルであった。


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