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阿川佐和子新著 『叱られる力』と受動的な題名になった理由

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「まさか、あんなに増刷を繰り返すことになるとは思いもしなかった」――累計160万部を突破した国民的ベストセラー『聞く力』(文春新書)。待望の続編『叱られる力』(文春新書)を上梓したばかりの阿川佐和子さん(60才)は続ける。

「第2弾に向けてリサーチを続けていたら、20代、30代の人に“私は人見知りなんです”って最初に宣言する人が多いということを知ったのね。でも、それって事前に宣言することで自己防衛をしているただの甘えなんじゃないのかな? って思ったの」

 リサーチの結果、現在の世の中では叱ること、叱られることに慣れていない人が多いことを知り、これをテーマに続編執筆を決めた。

 タイトルが『叱る力』ではなく、『叱られる力』と受動的なのには理由がある。

「まず、私自身が叱ることよりも、叱られてきた歴史が長いのが第一の理由(笑い)。次に、叱られることに慣れていない人が今の社会に多すぎるのが第二の理由。普段は他人とけんかをしたり、怒鳴り合ったりするのは嫌いなのに、パワハラやセクハラが世間で認知され始めた途端に、すぐに訴訟を起こす。だから、叱る側も面倒なことは避けたいから叱ることに臆病になる。今はみんなが叱られ慣れていない時代なのかなと思って、『叱られる』と決めました」

 本書には親として、子供に対する心構えも綴られている。

「できるだけ小さいうちから叱られることに慣らす必要があると思うんです。親ならばみんな自分の子が大事でかわいいからよく育ってほしい。でも、そのためには叱ることも大切だし、そこには覚悟も必要。子供に嫌われたくないから、何もかも緩んでしまうような気がするのね」

 覚悟を失うと同時に人は緩む。特に「オバサン」の場合は要注意。

「人間は年を重ねてくると、自分のことを叱ったり、怒ったりする人はどんどん減ってくるでしょ? これは実に怖いことで、叱られなくなるとすぐに緩んじゃうのよね。オバサンは特に、常に自分が正しいと思い込んだり、殿方に対する恥じらいの意識をなくしてしまったり(笑い)。自戒の念を込めて痛感しますね」

 もちろん、親子関係だけではなく夫婦間にも「叱る、叱られる関係」は重要な問題だ。

「夫婦のどちらか一方ばかりが叱っていても、叱られていてもダメですよね。夫婦間でもグー、チョキ、パーのように、ときには母と息子の関係になったり、父と娘の関係になったり、場面に応じて関係が変化したほうが飽きないままでいられるんじゃないのかしら? ずっと独身の私が言うのもナンですけど(笑い)」

(取材・文/長谷川晶一)

※女性セブン2014年9月4日号


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