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杉作J太郎氏、ステイサムを語るvol3 『バトルフロント』はオスカーを狙えかねない!

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大ヒット公開中でDVDも発売する『ハミングバード』と、8月8日公開『バトルフロント』。どちらも、いま絶好調のジェイソン・ステイサムが主演を務める超期待作だ。そこで、若者の”アクション映画ばなれ”を憂う杉作氏に、まずはステイサム自身の魅力を語っていただいた。

■『バトルフロント』はステイサム版「北の国から」

久々にやってくれた、スカッとしたステイサム映画でしたね。これはステイサムの”位”が上がりかねない出来だったんじゃないですかね。やっぱりシナリオがよく出来てるんですかね。どこまでスタローンの台本にあったのかわかりませんけどね(笑)。

観てから電球が怖くなりましたよ。悪い奴がいたら電球に細工すればいいんだってね(笑)。ステイサムが本当に恐ろしい男でしたね。10秒しか考えてないですよ、10秒でもう電球取り外してましたからね。あの細工の速さ、いやあスカッとする人物でしたね。

『バトルフロント』で思い出したんですけど、あれがまさに「北の国から」の黒板五郎なんですよ!カジュアルな黒板五郎。だって木を削ってましたよ。田舎町に行って娘と住むっていうね、それで娘がイジメにあったりとか、そこまでは五郎と一緒なんですよ。でも、そこからが違ってたんですよ……家を建てた五郎と、銃を持ったステイサム(笑)。設定だけ見たら、スタローンが『北の国から』を観たのか? もしかしたら『エクスペンダブルズ』のメンバーに田中邦衛を狙ってるんじゃないか? ってくらいのね(笑)。そう、仲良くなるのも学校の女性教師ですし、『北の国から』も原田美枝子だったじゃないですか(笑)。取り巻く環境はそのままなんですよ!

娘と一緒にって役は今のスタローンには無理でしょうね。ステイサムで本当によかったと思いますよ。製作の話を聞いてからずっと待ってたんですが、これは確かにスタローン映画だと思いましたよ。スタローンって他の人とまったく作劇が違うんですよ。どうしても最初に浮かぶのは『ロッキー』なんですけど、やっぱり構造が似てるんですよね。彼の映画は、例えば日曜映画劇場とかで放送してると2時間の放送枠の中で1時間を過ぎてもヤマ場がなくて、「まだかな?」と思ってると最後に来るっていうね。盛り上がるポイントというか、チャンスは一度なんですよ。そのチャンスのためにずうーっと話を盛り上げていくんです。で、それでいながら「スタローンだなあ」と思うのは、登場人物全員に優しいんですよ。だから後味がいい。

ステイサム映画は基本的には何だかんだ言って人殺し映画ですから(笑)。現代では珍しい暴力社会を描くことに集中した作品です(笑)。でもスタローンが脚本を書くとね、確かにチラッと観ると凶暴な映画に見えるかもしれませんけど、ほんと登場人物全員に優しい。全員が良い終わり方をするんでね、だから観終わった後味がよくて。後味がいいから、今回敵だった人が味方で入ってきてもおかしくないっていう。今回のジェームズ・フランコも、例えば『バトルフロント2』があるとしたら仲間になってもおかしくない。アポロみたいになるわけですよ、『ロッキー』の(笑)。

たぶんキャラクターで考えたら、ステイサムよりフランコのほうがいい役ですよ。どっちのほうが複雑で良いキャラクターかっていったらフランコですよ、演じ甲斐があるっていうかね。あの兄妹のほうが見せ場がありますし、さらに妹の亭主も良い役でしたよ。またハゲでしたけどね。ステイサム・ワールドはやっぱりハゲが輝くんですよね(笑)。なんにも悪いことしていないのにステイサムにスゴまれるっていう、観客が気の毒に思う役でしたね(笑)。

出演者がみんなイイですよ。だからビッグネームが集まりやすいんですよね。フランコにしても、ちゃんと観なかったらただの悪役っちゃ悪役ですよ。子ども誘拐して殺そうとする奴ですから(笑)。じゃあなんで引き受けてるか、ってことですよね? それはやっぱり台本がよく書けてるっていう、人間がよく描かれてるっていうかね。ステイサム映画はいつも面白いんですけど、『バトルフロント』はキャラクターがものすごくよく描かれてるから、それで1ランク上っていうか。

狙ってないでしょうけど、もしかしたらオスカーも狙えかねないような作品だと思いますよ(笑)。これで獲れないんだったらオスカーに権威は無いと言ってもいい(笑)。獲れなかったらいつもの路線に逆戻りですよ(笑)。こういうチャンスは珍しいと思いますよ。

スタローン脚本でスターも揃ってるからっていうんで、序盤にビッグアクションシーンがなくてもOKが出てるんだと思いますよ。これでスターが揃ってなかったら「最初の10分以内にもっと派手なシーンを入れろ。小刻みに見せ場を出せ」とプロデューサーサイドが入ってくると思いますよ。

そういう意味で言うと、スタローンの映画って作りが”昔”なんですよ。昔は銀行がうるさくなかったから、見せ場は一度でいいわけです。例えば『ワイルドバンチ』なんかよく出来てるでしょ。ちょっとダレるかなってところで”列車強盗”ってのを入れてくるわけですよ(笑)。アレを入れることによって観客が飽きないように出来てますよね。ところが本当の見せ場は別にあるっていう。

複線も忘れた頃に回収されるっていう、いちばん良い形になってますよ。それくらいドラマが面白いってことですよ。女の子が誘拐されますけど、またこれがよく出来てますよね。誘拐した女も絶対に危害を加えるようには描いてないじゃないですか。スターの配置がよく出来てますよね。やっぱり、これぐらいのビッグネームだったらこういうことはしないだろうっていう約束事があるから、ある意味安心して観ていられるってのもありますしね。それでいて、忘れた頃に面白いことがあるわけですから。これが映画の良いところですよね。

『バトルフロント』はぜひ劇場で観てほしいですね。テレビの洋画劇場でかかるかも微妙ですしね(笑)。暴力映画が地上波であるかどうかわかりませんから(笑)。映画館で観たらスカッとするんじゃないですかね。いい見せ場でしたよ。「映画を観たな」って気分になりますね。

『バトルフロント』は8月9日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー

(C)Homefront Productions, Inc. 2013

【参照リンク】

・『バトルフロント』公式サイト

http://battlefront.jp/ 

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