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「皮膚呼吸できずに窒息死」の真偽

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かなり昔の映画だが、『007 ゴールドフィンガー』という作品の中に、敵方からジェームズ・ボンド側に寝返った女性が、全身に金粉を塗られて殺されるという有名なシーンがある。金粉をくまなく全身に塗られることで皮膚呼吸を阻害され、窒息死してしまったのだ。

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人間もカエルなどと同様に、皮膚呼吸を行っていることはよく知られている。この『007』のようなエピソードは、他のフィクションにもたびたび取り上げられてきた。でも、本当に皮膚を外気から遮断したくらいで、窒息死してしまうものなのだろうか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。

「これは完全なる都市伝説でしょう。人間が皮膚呼吸をしているといっても、それは呼吸の量がゼロではないというだけで、実際には生体活動を維持することにはまったく寄与していません。これはおそらく、進化の過程で切り捨てられた機能なのでしょうね」

つまり、金粉ショーなどで人が窒息死するリスクは皆無だと、須田先生は明言する。世の中にはヒルやミミズのように、他の呼吸器官を持たず、完全に皮膚呼吸のみに頼って生きる生物が存在するが、人間はこれに該当しない。

「人間には肺呼吸という、非常にパワフルな呼吸機能が備わっています。体内に取り込まれる酸素量のうち、皮膚呼吸が占める割合について、医学書では“無視してもいいレベル”と記載されているほどです。盲腸が草食動物だった頃の名残の臓器といわれるように、皮膚呼吸の機能も、やがて失われていくものなのかもしれませんね」

実際、スキューバダイビングなどでは、皮膚呼吸が行えない環境のなか、酸素を肺に供給するだけで我々の体はちゃんと活動している。人が皮膚呼吸を阻まれて窒息死するというのは、フィクションの世界から拡散された完全なる都市伝説だったのだ。
(友清 哲)
(R25編集部)

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※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびweb R25から一部抜粋したものです
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