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東京都議会は「ホワイト企業大賞」にすべき? 会期83日で2400万円を受け取り

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今年で3回目を迎える「ブラック企業大賞」が、9月5日までウェブ投票を受け付けている。ノミネートされているのは9つの企業・団体で、過労死関係の損害賠償請求などで提訴されているところが多数を占めている。

この中で異色なのが、東京都議会のノミネートだ。6月18日に女性議員に対し「セクハラやじ」が投げかけられたのにもかかわらず、「自浄能力を何ら発揮することなく幕引きを図ろうとした」(大賞事務局)のがその理由とされる。

これに対し、山口三尊氏が8月9日、「年収1660万円の『ブラック企業』」というブログエントリーの中で、都議会議員の年収や給与を他の企業と比較しながら「むしろホワイト企業大賞にノミネートすべきでは」と異論を呈している。
「ワタミやゼンショーでは考えられない」

山口氏のエントリーによると、東京都議会議員の収入は「報酬給与が102万円、期末手当を含めると1660万円」になるという。このほか「政務調査費が月額60万円など」を加えると、「年額合計で2400万円」が議員1人あたりに支払われるそうだ。

この金額は政務調査費を除いても、サラリーマンの年収トップに輝く大手テレビ会社社員の平均年収を上回る。同時にノミネートされた大庄の平均年収はこの4分の1未満(396万円)であり、かなりの「高給取り」といってよい。

一方、都議会の本会議の会期日数は、平成25年で合計83日間にすぎない。会議がない日にも何らかの仕事があると見られるが、山口氏は「ワタミやゼンショーでは考えられない労働環境です」としたうえで、

「私だったら、(略)年収1660万円もくれるなら、すきなだけ野次ってくれと思います。苦情処理係りのサラリーマンなんて、その3分の1以下の年収で、もっと酷いことを一日中言われています」

と、ブラック企業大賞へのノミネートに疑問を投げかけている。また、今回のノミネートにゼンショーやワタミ、ユニクロなどの名前がないことについても、「ブラックユーモアにもなりません」と厳しく糾弾している。
「薄給で罵倒される人たち」には光が当たらない現実

もちろん、苦情処理係のサラリーマンやOLが顧客から当たり前のように罵倒されているからといって、都議会議員のやじが正当化されるわけではない。また、ブラック企業大賞のノミネート理由にも、

「都議と都議会は雇用の関係ではないが、このような内容のヤジがセクシャルハラスメントに該当し、許されない発言であることを雇用の現場でも再確認する意味を込め」

と説明されているとおり、今回の「セクハラやじ」騒動を、セクハラ概念を広めるある種の象徴的な出来事として取り上げた可能性もある。

その一方で、小売や外食、コールセンターをはじめとする多くの職場で、無神経な経営者や顧客のハラスメント発言が横行していることも周知の事実だ。山口氏は、薄給で罵倒されている彼らを差し置いて、高給取りの都議会議員だけが同情されていることが耐えられなかったのだろうか。

そもそも、「ブラック企業」の定義には、かなり不明瞭なところがある。外資系コンサルタント会社や証券会社の営業職などは、いくら長時間労働で、ノルマ未達成時にひどい罵声が飛んだとしても、高い報酬を得られる可能性があれば「ブラック」と呼ばないのが定説となっている。

しかし、そのような環境で働きながら、体調を崩して辞める人が少なくないことも知られており、この状況を放置してよいとも思えない。
年に1度の「お祭り」で解決できない課題は山積

さらには、もっと”黒い噂”が絶えない業界もある。キャリコネの記事に対しても、配信先のBLOGOSで「パチンコや産廃、リフォームや先物」といった名をあげて、「グレーな会社に因縁つけるんじゃなくて、明確に違法な完全ブラック企業」を取り上げろ、と批判する書き込みも見られる。

「ブラック企業大賞」が、過酷な職場環境に関する問題に注目を集めた功績は大きいが、その一方で、年に1度のお祭りで行う啓発活動だけ限界があり、まだまだカバーできていない課題が山積されていると言えそうだ。

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