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離婚後に親権を持つ者が亡くなることを想定した準備はどうすれば?

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Q.

 離婚をして子どもの親権を持っています。母親です。離婚した子どもの父親が、私に万が一のことがあったら子どもの面倒をみたいからと、公証役場で未成年後見人になれるよう遺言を作成したいと言われました。

 夫婦としては終わりましたが、子育ては安心して任せられます。しかし、元夫を未成年後見人にすることで、将来問題が発生しないのか心配です。想定される問題があれば、教えてください。

 また、将来わたしが再婚した場合、結婚相手の男性は、私の子どもの父親になります。父親も親権をもちますよね。そしたら、新しい家庭で生活していたときに、私が死んだら、新しい血の繋がらない父親が、私の子どもの親権を持つのでしょうか?それとも未成年後見人になっている元夫ですか?教えてください。

(30代:女性)

A.

 想像したくはありませんが、シングルマザーで幼いお子さんがいるご相談者様が亡くなられた場合、当然には元旦那様が親権者になるというわけではないという点に注意が必要です。法律を素直に適用すれば、「未成年後見人」が選ばれることになります(民法838条1号)。

 この未成年後見人は、簡単に言えばお子さんを育てていく親代わりとなるような存在です。未成年後見人は、親権者(今回の場合はご相談者様)が指定したり、お子さんやお子さんの親族が家庭裁判所へ未成年後見人の指定を請求し、家庭裁判所が決定することで決まります(民法839条840条)。

 離婚された元旦那様が育児へ積極的であり、お子さんを育てていく環境を十分に有していると判断されれば、元旦那様が未成年後見人になるだろうことが想像されます。もっとも、ご相談者様が未成年後見人の指定をすることなく亡くなられた場合は、前述のように家庭裁判所への請求など、かなり手続きが煩雑になることが考えられます。

 それに対して、ご相談者様が遺言でお子さんの未成年後見人を指定しておけば、家庭裁判所での審判は不要です。仮にご相談者様が遺言で元旦那様を未成年後見人に指定した場合、ご相談者様が亡くなられた後10日以内に、元旦那様が自治体の窓口に届出をすれば未成年後見人としての役目を行えます(戸籍法81条)。

 そのため、あらかじめ遺言によって未成年後見人を指定しておき、万が一の場合に、スムーズにお子さんの環境が整うように「保険」をかけておくというのはひとつの方法であろうと思われます。

 本当に元旦那様が未成年後見人として役目を果たすかが不安だと言う場合は、「後見監督人」を指定するということもできます(民法849条)。これは、未成年後見人(今回の場合は元旦那様)が、自分の利益を図らず、お子さんのことを考えて財産の管理などをしているかなどをチェックする人物とお考えください。

 次に、再婚時には新しい旦那様とお子さんとの間に親子関係は当然には生じません。養子縁組の手続きを取ることで、新しい旦那様はお子さんを養っていく義務が生じることになります(民法727条809条)。養子縁組を行えば、仮にご相談者の方が亡くなられたとしても、新しい旦那様がご存命ならば、お子さんを養うことになります。養子縁組によって、お子さんと新しい旦那様は、法的に親子関係となり、相続など、そのほかの法的効果も生じます。そのため、もし再婚するときは、お子さんと養子縁組をなさるかなどについて十分にご相談されることをおすすめします。

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