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セガトイズの36歳女性執行役員「働き方はママ基準にしたい」

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 今年4月、大手玩具メーカーのセガトイズで初の女性執行役員、しかも最年少役員が誕生した。宮崎奈緒子さん、36歳。

 宮崎さんは明治大学を卒業後、キャラクタープロデュース業に携わった後、2005年にセガトイズに転職した中途採用組だ。同社では女児向けのキャラクター玩具やホビー玩具の企画・開発を担当してきた。

「JS」と呼ばれる女子小学生を中心に絶大な人気を誇る『ジュエルペット』。その生みの親といえば、宮崎さんがいかに同社の業績に貢献しているかが分かるはず。

 2007年にサンリオと共同開発でつくったジュエルペットのキャラクターは、シリーズ第6弾までテレビアニメ化されて現在も放送中。その他、『ぷっちぐみ』(小学館)などの雑誌連載や関連商品の発売と、多方面にライセンスビジネスを拡大させている。

 そして、宮崎さんが中心となって開発したジュエルペット連動のスマホ型玩具(ジュエルポッド)は、2010年の発売以来、カメラ機能や赤外線通信、ゲームアプリなどバージョンアップを重ね、累計100万台を超える大ヒット商品に成長した。

 これだけの実績を引っ提げても、宮崎さんにとって執行役員の就任は「青天の霹靂」だったという。

「今年2月末に午前半休の日があって家でのんびりしていたら、社長から電話がかかってきたんです。ビックリして電話に出たら、<4月から執行役員になってもらう。ついては午後の役員会議で発表する>という内容でした。あまりに突然のことで呆然としました(笑い)」

 宮崎さんの現在の肩書きは、執行役員と兼任で「TOY事業部TOYMD部部長」の職責を担っている。これは女児向け玩具を開発する女性だらけのチームのことで、総勢10名いる。

 これまでも宮崎さんはこの女性開発チームを率い、現場で様々な新商品のアイデアを持ち寄って形にしていく仕事に、もっともやりがいを感じていたという。

 実際にガールズ課の会議風景を覗かせてもらうと、笑い声が絶えない和気藹々とした雰囲気。8月14日に発売する直径90cmまで膨らむふわふわのボール玩具『夢のじゃんぼんだま』を投げ合って感触を確かめるなど、エンターテインメント企業らしい遊び心満載の企業風土がうかがい知れた。

「仕事終わりにメンバーの誕生日会を開いたりもするのですが、プレゼントに指輪やネックレスをもらったりして、“彼氏みたい”な存在に感じるときもあります」(ガールズ課社員)と、仕事を離れても結束の固いチーム。だが、彼女たちを管理する立場の宮崎さんは本音もチラリ。

「女子ばかりが揃うと、面倒くさいことはありますよ。周囲を気にしたり、グチグチと文句を言ったり……。でも、ウチのチームは比較的“男らしい女子”が多いので、最終的に仕事がやりにくくなることはありません」

 それよりも宮崎さんが苦労しているのが、それぞれ働き方の違いをいかにフォローしていくかということ。TOYMD部10名の女性チームで既婚者やママ達は半分以上。

「ママになれば無理に残業を強いることはできませんし、子供が急に熱を出せば休むことだってあります。特に納期のある仕事は必ず代役をつけなければなりません。でも、私はあくまで“ママ基準”に合わせていきたいと思っています。

 だって、ママになったからといって仕事の第一線から外すなんてことをやっていたら、若い人たちの希望を失うことになりますからね。できるだけ皆が定時に帰って、遊びに行くなりママ業に専念するなり、女性が働きやすい職場環境を整備していくことも、執行役員の私に期待されている重要な仕事だと認識しています」

 いまは独身の宮崎さんだからこそ、いずれ自分が仕事と家庭を両立する“たくましい女性”として社員の手本にならなくてはという思いも強い。

「もちろん結婚もしたいし、たっぷり産休も欲しいですね(笑い)。そして、また現場に戻ってバリバリと商品開発している姿を率先して見せたい、という気持ちはあります。でも、『今年、この製品を出すまでは絶対に休めない』という生活を送っているうちはダメですね」

 国の政策に合わせるように、女性の管理職・役員の積極登用を数値目標化する企業が増え出した。しかし、業界や職種、もっといえば個別の部や課のマネジメント状況に応じた配置をしなければ現場の混乱は増すばかり。

 そういう意味では、女性社員が生き生きと働くセガトイズのガールズチームと、そこから昇進した女性執行役員の活躍ぶりは、多くの企業の指針となるかもしれない。

●撮影/渡辺利博


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