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21歳全身整形美女が逮捕 パトロンは中国赤十字関係者だった

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 公的な人物の醜聞が、叩けば出るどころではないレベルで噴出しているのが今の中国。現地の情勢に詳しい拓殖大学教授の富坂聰氏が報告するのは、 ネット界の超有名人をめぐる騒動である。

 * * *

 自らを「BABY」と呼び、ミニブログ(微博)ではぜい沢な暮らしぶりを綴り、全国民からの注目を集めていたネット界のスター、郭美美(本名・郭美玲)が逮捕された。2014年7月9日、容疑はブラジル・ワールドカップに絡むサッカー賭博であった。

「誰もがいつかはこうなると思っていましたよ。あれだけの騒動を起こしてただ済むはずはありませんから」

 と語るのは広東省の週刊紙記者だ。

「全身整形であることを隠そうともせず、美貌を武器にセレブな生活を送る彼女の暮らしには激しい賛否が渦巻いていました。彼女一躍有名にしたのは、2011年6月に彼女が写真付きで出したミニブログです。ブランド品や高級マンション、高級車などを臆面もなく自慢する内容でしたが、なかでも注目を集めたのは澳門のカジノで撮った一枚の写真でした。そこには1枚500万香港ドルもするチップが十枚並べられて(約6億5000万円)いたのです。

 まもなくネット上ではこんな贅沢ができるのはパトロンがいるからだ、となり、すぐに犯人探しとなりました」

 パトロン候補として最初に名前が浮上したのは、中国赤十字会の副会長である郭長江だった。きっかけは郭美美が自身のブログで、ぜい沢ができる理由について「私は中国赤十字商業代表取締」と綴っていたことだった。郭長江は郭美美の父親だとメディアも書き立てた。

 だが、ほどなくして郭長江は郭美美と接点がないことが明らかになる。

「そこで名前が挙がったのが王軍という人物です。赤十字が組織の外につくった営利のための組織の大株主です。郭美美は王軍のことを〝干爸〟(パパ)と呼ぶ関係でした」(同前)

 この展開に慌てたのが中国赤十字である。郭長江は、自分の名前が上がると同時に記者会見でこれを否定したが、王軍の場合にはそうはいかなかった。中国赤十字はしかたなく組織の関わる営利活動のすべてを中止する措置を取ったが、ダメージは避けられなかった。中国赤十字に寄せられてきた寄付金が激減するという事態におちぃったからだ。

 中国赤十字を殺した女――。郭美美がそう呼ばれるようになったのはこのためだ。

 だが、当の郭美美は反省する様子も見ることもなく、歌手としてミュージックビデオを発売、続いて映画に主演するなど芸能活動を始めるのだった。

 自慢の白のマセラッティを運転中に、中国の巨大国有企業の役員――中国共産党幹部――が乗るアウディと接触事故を起こしたのもこのころだ。相手の中糧集団といえば、国務院直轄の企業で、巨大な権力である。だが郭美美は、そんな相手にもひるまず果敢に挑みかかり、ついには69万元もの賠償を勝ち取るのである。

 中国のネチズンたちが、郭美美の一挙手一投足から目が離せなくなるのはこのころからだ。中国のマスコミも血眼になって無職の21歳の行方を追い、メディアの数も一時は100社を上回っていた。

 2014年7月、郭美美が逮捕される直前にも、彼女の武勇伝はネット上で話題となっていた。

 青年誌の記者が語る。

「とにかく賭博と縁があるのが彼女の特徴です。この武勇伝というのも賭博に絡む話です。彼女がある賭場で負け続けたことでヒートアップし、最後には2億6000万元(約44億2000万円)の借金を抱えてしまったというのです。それでも彼女は、すぐに借金を補てんしてくれるパトロンを探し出し、またたくまに半分の借金保返してしまったというのです。ただ、それから間もなく警察に賭博容疑でつかまってしまったため、業者はもうかいしゅうすることはできなくなったのではないでしょうか」

 8月4日、被告人であることを示すオレンジ色のベストをつけた郭美美がテレビのインタビューに答えている姿が流されたが、化粧を落とした腫れぼったい顔はまるで別人のようで、華美な生活をネットに晒していた挑発的な態度も影を潜めていた。

「ぜい沢禁止令を出して風紀を戒めている習近平政権の下では、彼女が見逃されるはずはないと思っていた人がほとんどだったのではないでしょうか。その意味では『やっぱりね』といった感想がよく聞かれますが、郭美美に批判的な人々も、いざ逮捕された姿を見せられると中国が暗い社会に向かっているようで複雑な気持ちになるようです」(北京のコンサルタント)

 郭美美は、いろいろな意味でスターだったのかもしれない。


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