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ヘビメタと料理が融合「メタルめしは大人のキャラ弁」と識者

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 音楽と料理はそのそのものを愉しむだけでなく、人と人をつなげる効果があるのではないか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が一冊の奇妙な料理本から考える。

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 凄い本と出会ってしまいました。「料理勉強家」ヤスナリオさんによる『メタルめし!』(DU BOOKS)という本です。その名の通り、ヘビィメタルにインスパイアされた料理レシピ本です。メタルにちなんだ料理と、そのレシピ、写真が103ページにわたり、紹介されています。この本を読んで、私は料理と音楽がコミュニケーションツールとなっているなと確信しました。

 この本で紹介されている、いくつかの料理をご紹介しましょう。METALLICAの3RDアルバムといえば、『MASTER OF PUPPETS』です。1986年にリリースされたこのアルバムですが、十字架が並ぶ墓場を描いたジャケットはあまりに有名ですし、同名の曲はMETALLICAの代表曲となっており、未だにライブで演奏されています。

 この曲にインスパイアされた料理が、「マスター・オブ・ナゲッツ」です。「ナゲットというよりは、フライドチキンでは?」と思うほどの、大きなチキンナゲットがドーンと構え、その周りに十字架の形をしたポテトが並びます。この十字架の形をしたポテト、食感も最高です。例の中国食材の大幅期限切れの腐敗鶏肉問題が、コンビニチキンナゲットで起きましたが、自分で作るならその辺も安心ですよね。

 メタル好きでなくても、簡単にできる夜食として美味しいのが、「2ミニッツ・トゥ・ミッドナイト・ヌードル」。元ネタは英国が誇るヘビィメタルバンド、アイアン・メイデンの代表曲”2 MINUTES TO MIDNIGHT”です。邦題が「悪夢の最終兵器・絶滅2分前」なのが、笑えるような、怖いようなという感じですが。この料理、ポイントは深夜に2分で完成してしまうことです。

 鍋に豆乳、水、白すりごま、ちんげん菜を入れて、沸騰したらそうめんを加えて、麺をほぐしながら2分茹で、食べるラー油をかけて出来上がり。簡単ですね。作り方も、食べるラー油も、実にロック。この料理の邦題は「深夜の最終兵器・満腹2分前」という感じでしょうか。

 他にも、パンヘイレン(ヴァン・ヘイレンにかけたもの)、モツ煮ーカレー(モトリー・クルーにかけたもの)など、面白いレシピが続きます。料理好き、メタル好きにはたまりません。

 書籍とレシピの紹介はこれくらいにして、ちょっと別の切り口で考察してみたいと思います。メタルファンとして大変面白く、美味しい本だったのですが、料理と音楽がコミュニケーションツールになっているなとも感じました。

 料理に関していえば、クックパッドに代表されるレシピサイトがそうですし、自分が作った料理、食べた料理の写真をFacebookに載せる際などもそうですが、自分のレシピ、料理を紹介すること、それに対するレスを楽しむツールになっていると感じます。その際、美味しいかどうか、栄養があるかどうかなどが問題になるわけではありません。ネットにあげて面白がられるかどうかという点が大事です。

 ジロリアンと呼ばれるラーメン二郎マニアが、野菜増し増しなどで山盛りになった麺や、いかに自分がラーメン二郎系で食べているかをアピールするなども、まさにコミュニケーションとしての料理ですね。子供のために作ってあげたキャラ弁をアップするのも同様ですね。このメタルめしは、大人のキャラ弁と言えるでしょう。

 音楽に関しても、もちろん新人も出てきていますし、ベテランアーチストも新譜を発表しているのですが、むしろ過去の曲がコミュニケーションツールとして生き続けているのではないかと思うわけです。このように、曲名とその世界観にひっかけて料理が出てきて、それを見て少なくともメタルファンは興奮するというのは、曲や曲名がコミュニケーションツールとなっているということなのでしょう。

 音楽業界では、来年はCDやネット配信など音源の売上と、ライブの売上が逆転するのではと言われています。音源よりもライブということは、ファンがリアルな体験を求めているということですし、以前からある曲をコミュニケーションツールとして楽しみたいということでしょう。

 このように『メタルめし!』の登場は、料理と音楽の変化を象徴するものの一つと言えるのではないでしょうか。さて、この本に載っていた「俗悪テキサスバーガー」でも作りますかね。

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