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グーグルの検索ワードに予測されない人生を送るには?

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 グーグルで何かを検索しようと文字を入力しかければ、予測変換機能が働き、見事自分が連想しそうな言葉を予測されるという経験のある方、多いのではないでしょうか。

 作家、思想家であり、五反田にてゲンロンカフェを運営している東浩紀さんによる「弱いつながり」は、こうした予測変換の機能について疑問を呈するところから始まります。

東さんは次のように危惧します。

「グーグル検索のカスタマイズは、すでにかなり進化しています。あなたがなにか調べ物をするとき、『○○さんだったらこんなことを知りたいだろう』とまえもって予測検索をしてくれる。(中略)自由に検索をしているつもりでも、じつはすべてグーグルが取捨選択した枠組みのなか。ネットを触っているかぎり、他者の規定した世界でしかものを考えられない。そういう世界になりつつあります」

 ついつい便利だと思いがちの予測変換機能ですが、東さんの指摘するように、自分が考え付きそうなことをいつも予測されてしまっているとなれば、同時にそれは予測出来てしまう程の狭い枠組みの中でしか物事を考えていないということを指しているのかもしれません。
 
 東さんは、そうしたグーグルの予測変換を裏切り、特定の枠組みからはみ出すような世界を切り開くには、環境を変える=移動するしかないと言います。

「環境を変え、考えること、思いつくこと、欲望することそのものが変わる可能性に賭けること。自分が置かれた環境を、自分の意志で壊し、変えていくこと。自分と環境の一致を自ら壊していくこと。グーグルが与えた検索ワードを意図的に裏切ること」

 そして具体的に、環境を変える手段の一つとして、旅をすること、意図的に観光客になることを推奨するのです。実際、本書の中では東さんが台湾、インド、チェルノブイリ、バンコク等へ観光客として訪れた、その旅先での経験や発見が綴られていきます。
 
 いつも自分が身を置いている環境から数日間離れてみることで、そのコミュニティの中にいては思い付きもしなかった、思わず検索したくなるような多くの言葉に出会うのだという経験が、興味深いエピソードと共に語られます。

「哲学とか批評とかに基本的に興味がない読者を想定した本」と東さん自身が言うように、わかりやすく手軽に読め、それでいて書かれている内容には多くの考えさせられるヒントが散りばめられている本書。自身の考え方や人生に新たな刺激を与えたいのならば、グーグルが予測出来ないような言葉を検索出来るよう試みてみるのも良いかもしれません。

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