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ペットを巡る法律問題

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 飼育が規制されている特定外来生物のカミツキガメを無許可でペットとして飼っていたとして、警視庁は7月4日、東京都世田谷区の会社員を特定外来生物法違反(飼養の禁止)の疑いで書類送検したと発表しました。また、北海道白老町の海岸で2014年2月、女性が綱を放した散歩中の土佐犬に襲われて海に追い込まれ、溺死した事件で、札幌地裁苫小牧支部は7月31日、重過失致死罪などに問われた飼い主に懲役2年6月、罰金20万円の実刑判決を言い渡しました。そこで今回は、ペットを巡る法律問題について取り上げたいと思います。

■ペットを飼育している場合

 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(特定外来生物法)鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護法)文化財保護法等、いくつかの法律は特定の動物の飼育について規制をしています。

 特定外来生物法は、特定の外来生物による生態系、人の生命・身体、農林漁業への被害を防止することを目的としています。特定外来生物に指定された生物を、飼育・栽培・保管・運搬・販売・譲渡・輸入・野外に放つこと等を原則として禁止しています(特定外来生物法4条等)。もっとも、特定外来生物として規制される前から愛がん(ペット)・観賞目的で飼養等している場合は、規制されてから6ヶ月以内に申請を提出することにより、許可を得られれば、その個体に限り飼養等し続けることができます。同法では、販売又は頒布をする目的で飼養した場合は、3年以下懲役の若しくは300万円以下の罰金又は併科とされており(32条)、飼育をした場合は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又は併科(33条)とされています。今回書類送検された会社員のように、ペットを飼育していたら知らないうちに違法となっていたという可能性がありますので、注意する必要があります。

参照:環境省が発表している特定外来生物等一覧(2014年8月1日現在)

■ペットが他人に怪我を負わせた場合

 民法には、動物の占有者等の責任を定めた条文があります(民法718条)。動物の飼い主は、原則としてその動物が他人に与えた損害を賠償しなければなりませんが、相当の注意を払って管理していたことを立証した場合に限り責任を免れるということが規定されています。

 「相当の注意」とは、通常払うべき程度の注意義務で、異常な事態に対処すべき程度の注意義務までは要求されていません(最判昭和37年2月1日)。相当の注意の程度とは、動物の種類・性質・加害の前歴・動物占有者の熟練度・そのほかの諸要素を総合的に考慮して判断されることになると言われています。被害者にも事件を誘発するような原因があるような場合は、過失相殺が認められることもあります。

 被害者が亡くなってしまったような場合や、被害者と和解に至らない事件について被害者から告訴があった場合には、刑事上の責任(重過失致死傷罪(刑法211条)、過失致死傷罪(209条210条))を問われる可能性があります。上述の札幌地裁の判決では、「重篤な被害が容易に想像できるのにあえて綱を離した過失は極めて重大」として、重過失致死罪を認めています。

 このようにペットを取り巻く様々な法律があります。かわいいペットと快適に生活を送っていくためにも、飼い主の責任については日ごろから注意を払っていくように心がけるのが良いと思われます。

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