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小説で暴かれる近未来の先端医療が生み出す課題とは

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 映画化、テレビドラマ化もされた『チーム・バチスタの栄光』でおなじみの海堂尊氏による新作小説『アクアマリンの神殿』(KADOKAWA/刊)が登場した。
 本作では最新医療の人工凍眠(コールドスリープ)から目覚めた少年の物語が描かれている。

 2010年に発表された『モルフェウスの領域』の続編となる本作『アクアマリンの神殿』は、海堂氏の『チーム・バチスタの栄光』から連なるシリーズ「チーム・バチスタシリーズ」の未来を描いた作品となる。
 桜宮市にある未来医学探究センターで、ひとりで暮らしている物語の主人公・佐々木アツシ。彼はある理由から世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りにつき、5年という時間を超えて目覚めた少年だった。
 凍眠中の睡眠学習により高度な学力を身につけていたが、中途編入した桜宮学園中等部では平凡な少年に見えるよう“擬態”する日々を送る。スリーパーであった彼には、センターで眠る美しい女性を見守るという大切な業務があったのだ。学園生活に馴染んでゆくアツシだったが、ある重大な決断を迫られ、苦悩することとなる…。
 医療業界の現場にいる海堂氏だからこそ書ける先端医療とその歪み。スリリングな医療エンターテインメントが展開される。

 さて、本作は『チーム・バチスタの栄光』から始まった小説シリーズを構成する世界観「桜宮サーガ」の1つとして描かれている。「桜宮サーガ」という名称はファンにとってはお馴染みだが、知らない人のために説明しよう。
 1988年頃から2022年前後の架空の都市「桜宮市」を中心に、「極北市」「浪速府」に加え、東京を舞台にさまざまな物語が展開される。作品間のリンクやクロスオーバーなどが特徴的で、その小説で起きた出来事が他の小説に影響を与えることもある。他の小説とのつながりを見つけるのも、海堂作品を読む上での醍醐味の一つになるのだ。

 今回の主人公である佐々木アツシは、本作の過去を描いている『ナイチンゲールの沈黙』『モルフェウスの領域』、未来を描いた『医学のたまご』にも登場する。『アクアマリンの神殿』と合わせて読むと、世界観をより楽しむことができるはずだ。
(新刊JP編集部)

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