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レンジ加熱はもはや「調理」 働く女性の偽らざる夕食事情

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 料理はSNSの人気投稿ジャンルだ。レシピサイトや専門SNSも盛況だが、20~30代の働く女性のうち自分で毎日の夕食を作る人はわずか17%にとどまっている(旭化成ホームプロダクツ調べ)。時間がない彼女たちに対応するように、短時間で夕食を完成できる食材のセットや調理キットの電子レンジ対応商品が増えている。

「電子レンジによる加熱だけでおかずを作ることに対して手抜きではないかという罪悪感が強かったのですが、今では調理のひとつと考える人が増えています。5年前にカラフルなデザインのスチームケース『ルクエ』がヒットしたことで調理器具として電子レンジの存在感が増したことや、2011年の東日本大震災以降に節電ムードから少ない電力消費で早く調理できると歓迎されているようです」(食品メーカー広報担当者)

 以前から電子レンジで温めるだけで食事の準備ができるものは存在していた。多くは炒飯などの中華や、パスタやラザニアなどイタリアン、めん類など昼食向けや補助的な存在だった。ところが、近年では夕食のメインおかずになるものや、誰でも手づくりするのが当たり前と考えられてきた日常的な和食にも電子レンジ対応商品が増加している。

 たとえば、和食惣菜の素として人気を集める「うちのごはん」シリーズ(キッコーマン)の「できたてMy Deli」シリーズは卵や豆腐を加えて電子レンジで加熱するだけで「あんかけ茶碗蒸し」や「豆腐ハンバーグ」が出来上がる。「追いがつおキッチン」シリーズ(ミツカン)では、調味料が入ったレトルトパウチに鶏肉を入れ、もみ込んでから電子レンジで温めるだけで、通常なら数十分かかる煮物を10分で完成できる。

 いつも食器棚に5~6個の電子レンジ調理品を常備している30代の会社員・由美子さんは、完全手づくりとはゆかずとも、外食より自宅で食べる夕食のほうが経済的だし健康にもよいと考えている。

「スーパーの惣菜もよく利用しますが、最後にひとつだけ材料を加えて、電子レンジで加熱したりフライパンで炒めるだけで夕食のメインが出来上がるタイプの商品は、必ず自宅にストックしておきます。レシピ通りに作ることはあまりなくて、お肉を豆腐や厚揚げにしたり、白菜をもやしに変えたり、野菜をトッピングしたりゴマを振って、そのままよりもヘルシーになるようにしています。

 仕事が終わる時間が遅いので、外食できるお店は限られます。夜遅くにがっつり食べてしまうと胃がもたれるので、分量や材料を加減できる家で食べるのが一番いいんですよ。だからといって、一からご飯をつくる気力もないし早く食べたい。そうなったとき、せいぜい10分程度でメイン料理が作れる『うちのごはん』とか便利ですね。もっと疲れたとき用に冷凍食品もストックしていますよ」

 日本人の外食率は、最近15年間は36%前後をいったりきたりするばかりで上昇する気配がない。しかし、総菜や弁当、前述の電子レンジに対応した調理キットなどを含む中食を指す食の外部化率は、細かな上下はあるものの上昇傾向を続け2012年には45.1%を記録している。

 これら食の外部化傾向を後押ししているのは、間違いなく由美子さんのような女性たちだろう。だが、結婚しない女性が増えているのが原因と考えるのは間違いで、既婚女性も食の外部化を受け入れている。

 20~59歳の既婚女性への調査で、手作りだと思う料理と手抜きの罪悪感について「市販の具入り惣菜の素に玉ねぎを加えて酢豚をつくった」ことに手抜きの罪悪感を感じた人は17.2%に対し、手作りだと思う人は26.3%、「惣菜のカツを卵でとじてカツ丼にした」に罪悪感を感じた人が17.3%に対し、23.9%が手作りだと思っていると分かった(「2013年度キューピー食生活総合調査」調べ)。惣菜や簡便調理対応品も、ひと手間を加えることで手抜きの罪悪感が軽減するならば、それが電子レンジ調理品であっても理屈は同じだろう。

 いまや電子レンジはキッチン家電の中で炊飯器を超え、冷蔵庫に次ぐ普及率の高さだ。極端な例でいえば、調理器具がそろわずとも電子レンジだけはある世帯もある。引っ越しで調理器具が間に合わなくても、電子レンジは使っているという女性もいた。電子レンジ対応の料理キットが充実してゆけば、鍋やフライパンの火加減は苦手でも電子レンジの加熱具合を巧みに使いこなす女性が増えてゆくのかもしれない。

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