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動物園のコアラ舎がエコで快適にリフォーム!その住み心地は?

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新築住宅やリフォームをする際には、住んでいる人の快適な暮らしの実現に加えて、省エネや創エネといったエコロジーの視点を取り入れることはスタンダードになりつつありますが、この流れは動物園にも広がっているようです。

エコな建物にリニューアルしたコアラ舎

埼玉県東松山市にある埼玉県こども動物自然公園は、日本国内に8つしかないコアラが飼育されている動物園の一つ。ここでのコアラの飼育がはじまって今年で29年目となり、空調設備などがだいぶ古くなってきたため、埼玉県では、2013年にコアラ舎及びペンギンヒルズの改修工事を行い、この春に工事が完了しました。

【画像1】2014年3月にリフォームされたばかりのコアラ舎(写真撮影:玉置豊)

このコアラ舎の改修は、埼玉県が2012年より実施する「埼玉エコタウンプロジェクト」の一環である「ECO-Zoo」整備事業の一つ。プロジェクトを担当した埼玉県職員の萩野さんによると、改修のアイデアを広く募集するプロポーザル方式にすることで、今までに動物園の改修実績がないところを含めて各社から募ったそうです。

「我々だけでは思いつかないような改修をしようと広く提案を求めたところ、積水ハウスグループの積和建設埼玉さんは、空調設備の取り換えだけでなく断熱化をしっかりとすることで、効率的で動物にとっても快適な温度管理の実現を提案してくれました。これは人間の住まいを扱っているハウスメーカーならではの提案でしたね」

提案のポイントとなった断熱化は、窓を二重構造にしてペアガラスを採用し、壁の内側に断熱材を貼り、屋根の断熱もおこなうといった、コアラ舎全体の効率的な断熱化。

これによって電気やガスの使用量を大幅に抑えることができるようになり、屋根に設置したソーラーパネルによる発電と合わせて、改修前に比べて70%もエネルギー使用量が削減されました。

【画像2】二重になった窓と壁に貼られた断熱材によって、効率的な温度管理ができるようになった(写真撮影:玉置豊)

【画像3】空調設備に電気だけでなくガスを併用することで、街全体での電気使用量がピークとなる時間帯に、コアラ舎の電気使用量を抑えることができる(写真撮影:玉置豊)

【画像4】コアラ舎の南側に設置されたソーラーパネル(写真撮影:玉置豊)

断熱化によって住みやすくなったコアラ舎

コアラ舎の断熱化は、エネルギー使用量削減というエコの面だけではなく、コアラの住み心地にも大きく作用したようです。コアラはその大きな鼻でエサとなるユーカリの葉の匂いを必ず確認してから食べるため、風邪を引いて鼻が詰まると、匂いが嗅げずエサを食べなくなってしまいます。そのため、コアラの飼育では体調を悪くさせないことが一番肝心なのですが、断熱化をおこなったことで、全体がムラなく適温に保たれるようになり、コアラにとって快適な空間になりました。副園長の内海さんによると、これは飼育係にかかるストレスを低減させることにもつながったようです。

「コアラはオーストラリアからの友好のシンボルとして贈られた動物ですから、これを飼育する我々には大きな責任があります。冬は温度が下がりにくく、夏は上がりにくくなったコアラ舎は、温水式にした床暖房との相性も良く、今までだったら飼育係がこまめに見回りをしてストーブで暖める必要があるような春先の寒い日でも、床暖房だけで大丈夫でした。暖房による空気の過度な乾燥がなくなったことも、コアラの体調管理をする我々には、とても大きなメリットです!」

【画像5】コアラを優しく見守る副園長の内海さん(写真撮影:玉置豊)

【画像6】ユーカリの葉を食べているのは、昨年の夏に生まれたエミちゃん。ちなみに毎日午後1時のユーカリの葉を交換するときが、起きているコアラを見るチャンス!(写真撮影:玉置豊)

【画像7】凛とした表情でこちらを見つめるオスのコアラ。現在6頭を飼育中(写真撮影:玉置豊)

改修作業は普段静かな環境で生活しているコアラが住んでいるところでの工事となります。そのため床暖房を電熱線式から温水式に切り替えるために床のコンクリートを剥がす作業などは、別の場所に新規で部屋を建てる以上に振動や騒音に対して気を使わなければならなかったのですが、そこは積水ハウスグループの住宅づくりで培ったノウハウが、コアラ舎のリフォームにも生きたのだとか。

今までの動物舎の改修工事では、動物の気持ちを代弁する飼育係と工事担当者がケンカになることもあったそうですが、動物第一に工事をしてくれたことが、飼育する側としてはうれしかったそうです。

ペンギン舎やカピバラ舎のエコ化工事

エコな取り組みが進められているのは、コアラ舎だけではありません。ペンギン舎では、ソーラーパネルによる発電で、プールに波を起こすための電力を約2/3程まかなっており、ペンギンたちは気持ちよさそうにエコな波を楽しんでいました。

【画像8】ペンギン舎に取り付けられたソーラーパネル(写真撮影:玉置豊)

【画像9】その波の電力が太陽光発電であることを知ってか知らずか(知らないですね)、プールの中で気持ちよさそうに泳ぐペンギン(写真撮影:玉置豊)

また2012年に別の企業がエコ改修を実施したカピバラ舎では、冬になると太陽光によって温められたお湯を使った露天風呂がお目見えし、北風で冷えてしまったカピバラの体を、そしてその姿を眺めるお客さんの心を温めているそうです。

このような動物の住み心地を第一に考えた上で、経済性も高めるエコな取り組みをおこなう動物園が、今後も増えていくのかもしれませんね。

【画像10】冬になったら露天風呂に浸かるカピバラを見に来ます!(写真撮影:玉置豊)

●埼玉県こども動物自然公園
HP:http://www.parks.or.jp/sczoo/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/08/01/67052/

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