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すき家が「ブラック企業返上」の決意表明! 提言は「9月末日までに実施する」

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牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーホールディングス(HD)は7月31日に記者会見を開き、労働環境改善に関する調査報告書を発表した。

同報告書は別紙も含め100ページを超え、すき家の労働環境について事細かに踏み込み、その実態を明らかにしている。さらに小川賢太郎会長兼社長をはじめとした経営幹部に直裁的な提言をしている「ガチンコ」なものだった。

過重労働問題を認識しない経営陣に「喝」

全国2000店のすき家では、14年2月頃から人手不足が深刻化し一時閉店する店舗が続出。報告書では、閉店の経緯や原因について細かに記している。

また客観的なデータとして、退職者や離職率、残業時間の推移や、労働基準監督署からの是正勧告、指導件数にいたるまでを明らかにした。中でも目を引くのは、社員の過重労働に関する実態だ。

「中には、恒常的に月500時間以上働いていた者や、すき家店舗における業務が多忙で2週間家に帰れないという経験をしている者も見られた」
「このような過重労働は、多数の社員を過労で倒れさせ、又はうつ病に追い込むなど、社員の生命・身体・精神の健康に深刻な影響を及ぼしていた」

こうした実態の原因はどこにあるのか。報告書では、小川会長をはじめとする経営幹部の責任を鋭く問う。明らかに「現場に無理をさせない限り、運営ができない」状態なのに、それを「危機として捉えていなかった」というのだ。

「大量店舗閉鎖の直前になるまで、過重労働問題が企業経営に重大な影響を及ぼすリスクになることを正しく認識していた経営幹部はいなかった」

こうした実態を赤裸々に明かすことは、企業にとってリスクもあるはずだ。現にネット上では、「ここまで酷いのかよ…」「ここまで悪評広まってると行く気しなくなる」という声も多い。しかしそれをあえて公表したことを評価する声もある。

「ブラックな実態をここまで赤裸々に公開した文書は今まであっただろうか」
「ゼンショーは、ここまでのものを自ら発表した覚悟が良い方に出るか」
「本気で贖罪するつもりなのか見所です」

第三者委員会は「会社が自ら設定」

ここまで会社の「恥」になるようなことを、なぜ公表したのか、キャリコネ編集部がゼンショーHDの広報室に質問してみると、こんな回答が返ってきた。

「企業として『変化させる決断』をした、ということです。今回の第三者委員会の設置も報告書の発表も、当社が自ら設定したもの。まずは実態をつまびらかに明かし、ひとつずつプラスにしていくという『決意表明』だと思ってもらえれば、ありがたいです」

小川会長も31日の記者会見後の囲み取材で、「とりわけ厳しい久保利先生(英明弁護士=第三者委員会委員長)にあえてお任せした」「全部見て下さいというお願いをした気持ち。ぜひご理解を賜りたい」とその心情を明らかにしている。

すき家の改善は、すでに着手されている。6月2日に分社化し、7つの地域会社を設立した。これまでは東京の本社から約2000店舗をコントロールしていたが、個人の労働時間など細かな部分にまで目が行き届かなかった。

「現在は地域会社の各社長が、店舗を巡回する回数も格段に増えました。例えば消費税8%に上がったのに、『交通費手当の額が変わっていない』といった細かな従業員の声もキャッチでき、すぐに改善できるようになっています」(広報室)

1か月あたりの残業時間も、36協定で定めた45時間に収められるよう、個人個人の労働時間の細かな管理を地域会社でしっかり行っているという。また労政部を社長直轄組織として独立させ、「日単位での予実管理」を徹底している。

小川会長も「もう…改善しますよ」と観念

さらには、従業員組合会(ゼアン)との間で従業員の労働時間管理を目的に、労使双方が毎月議論を行う「時間管理委員会」を設けた。地域社員の扱いなどを地域会社の社長が決裁できるようにし、現場の実情に沿った意思決定を進めている。

「また、今回の報告書の提言については、第三者委員会とも適宜話し合いの機会を持ちながら実情とも照らし合わせ、9月末日までに基本的に実施する方向で進めています」

報告書の提言には、一定時間以上の長時間労働を「絶対的に禁止するルール」を策定し、その遵守の結果「店を閉めることになってもこのルールは守らなければならない」と厳格なものも。

第三者委員会は、小川会長ら経営幹部に対して、コンプライアンスやCSRといった重要性を理解するための「研修の必要性」も要求しており、経営者としては忸怩たる思いもあるかもしれない。

さらに「改革の本気度」を示すために、「(従業員の)人権と生活を尊重する旨の、小川会長名の全従業員向け『宣言』を出すべきである」と、制度やルール以外の企業風土・文化の変革も求められている。

小川会長は囲み取材の中で、「(ブラック企業の)レッテルを貼られるのは不本意。問題を洗いざらい公表して、最大限それを受け止めて、改善すべきはもう…改善しますよ」と観念したようにつぶやいていた。広報室も「(会社の)これからに期待してください」と編集部に語り、決意を新たにしているように感じられた。

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