ガジェット通信

見たことのないものを見に行こう

少年法について

DATE:
  • ガジェット通信を≫

 長崎県の県立高校1年の女子生徒が鈍器のようなもので殴られるなどして殺害され、同級生の女子生徒が殺人容疑で2014年7月27日に逮捕されました。報道によれば、女子生徒は「すべて私が1人でやりました」と容疑を認めており、県警が経緯や動機を調べているとのことです。女子生徒に今後どのような処分が下されるか気になるところですが、今年の4月11日には改正少年法が成立し、5月7日に施行されています。今回は少年法について考えてみたいと思います。

 少年法とは、少年の健全な育成のために、非行のある少年の性格矯正および環境調整に関する保護処分と、少年の福祉を害する成人の刑事事件に対する特別措置について定めた法律です。少年法における少年とは、20歳に満たない者を指し、男性・女性含めて少年と定義されています。

 家庭裁判所は審判開始の決定をした場合(少年法21条)は、当該事件を審判し、以下の決定をします(23条)。

・権限を有する都道府県知事又は児童相談所長に送致(18条)
・刑事処分を相当と認めるときは、管轄地方裁判所に対応する検察庁の検察官に送致(20条)
・保護処分(保護観察、少年院送致等)(24条)
・不処分(23条2項)

 今年5月の改正法の主な改正点は、「厳罰化」と「国選付添人・検察官関与事件の範囲拡大」の2点です。

 「厳罰化」については、罪を犯すときに少年が18歳未満であった場合、無期刑が相当とする犯罪であっても、少年には可塑性がある(発達途上であり、更生の可能性がある)という特殊性を考慮して、無期刑ではなく有期刑とすることができることになっているのですが、今回の改正により科すことができる刑の上限が従来の15年から20年に引き上げられました。また、最長で10年以上15年以下(従来は5年以上10年以下)の不定期刑を科すことができるようになりました。

 「国選付添人・検察官関与事件の範囲拡大」についてですが、国選付添人とは、家庭裁判所の少年審判を受ける少年を支援するために、国費でつけられる弁護士を言います。この国選付添人が選任される対象事件及び検察官が出席できる対象事件が、「長期 3 年を超える懲役または禁錮にあたる罪」に拡大されました。

 検察官が少年審判に関与することについては、従来から、少年審判の場で糾問的な質問をすることで、少年が心を閉ざして真実を語らなくなり、事実認定を歪めることになりかねないという指摘がありました。今回の改正で、その範囲が拡大されることによって、少年審判の刑事裁判化をさらに進め、少年法の理念を変容させるものであるとの批判があります。
 厳罰化(特に有期刑の長期化)についても、少年の更生を著しく困難にし、非行予防の効果は薄いといった反対意見も出されています。

 法改正によって少年法の目的である「少年の健全な育成」は本当に達成できるのか、国民一人ひとりが真剣に向き合って考え、議論していく必要があるといえそうです。

元記事

少年法について

関連情報

弁護士とは絶対に話せる!?(法律クイズ)
罷免判決の厳しい現実(今週の話題 ~法律はこう斬る!)
弁護士と秘密漏示罪の成立(法律クイズ)

法、納得!どっとこむの記事一覧をみる ▶
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。

TOP