カンボジア人の客が来ない? じゃあ現地の人に料理を教わろう!の巻

access_time create folder生活・趣味
カンボジア人の客が来ない? じゃあ現地の人に料理を教わろう!の巻

こんにちは、海外就職研究家の森山たつをです。私はいまカンボジアで「サムライカレー」というプロジェクトを進めています。連載初回の前回、ちょっとはしゃぎ気味で書いてしまったために、ニコニコニュースのコメント欄で「安易なグローバル化くそくらえ」とプチ炎上してしまいました。

反省して、これからは現地での苦労話を中心に書いていきたいと思います。実は楽しげにやっているように見えるサムライカレーですが、それと同じだけ苦労があります。というか正確には、苦労と楽しさが表裏一体になっているのです。

ユニクロでも把握できなかった「現地のニーズ」
変な日本人が来たぞ

昨年11月、NHKがユニクロのバングラデシュ進出を放送していました。そこで大きな話題になったのは、「現地女性が民族衣装しか着ない」ということを、ユニクロが事前に把握できていなかったことでした。

日本の女性スタッフが半年かけて現地女性にリサーチを行い、好意的な反応を得ていたのにもかかわらず、全く売れない。そこで現地の女性にクローゼットを見せてもらうと、カジュアル服を持っていたのは10人中1人しかいなかった…。

そんな様子がTVに写ってしまったのです。これを見た視聴者は、ネットで「ユニクロのマーケって結構ずさんだな」などと酷評しました。しかし私は、これからの日本人に必要なのは、このようにスピード重視でとりあえずやってみて、問題があったら「爆速」で修正し、学習していくことだと思います。

サムライカレーも、開店2ヶ月で大きな壁に突き当たりました。それは、カンボジア人のお客さんがほとんど来ないこと(笑)。せっかくカンボジアでカレー屋を開いたのに、そのころのお客さんの割合は、日本人:その他外国人:カンボジア人が7:2:1というものでした。

私たちのカレーは、現地の日本人にはそこそこ人気があったのですが、「現地化」は図られていなかった。そこで当時(第4期)のメンバーたちは、いかにして店にカンボジア人を呼ぶか、ということに注力して挑戦することにしました。

向かいのおばちゃんとコミュニケーション!

街頭インタビューやバイトの女の子たちと話をしましたが、人によって意見が全く違います。それでも苦心して、次のような傾向がありそうだと、とりあえず結論づけました。

・カンボジア人にとって日本の「カレーライス」は未知の食べ物
・この辺のカンボジア人は保守的だから未知の食べ物に興味はない
・カンボジアカレーはスープカレー。辛くない
・カレー「ライス」よりも、カレーwith「パン」やカレー「麺」が一般的
・この辺での一食の値段は2ドルが上限

基本的に以前から聞いていたのと同じ情報であるけれど、それでもとりあえず「カレーライス」を広めよう!というのが、これまでのアプローチ。今回は方向の大転換です。ここであるメンバーが、新たなアプローチを考えつきました。

「向かいに住んでるおばちゃん、料理うまいんですよね?」

現地の人が好きなものを作れば、現地人のお客さんも来るかも?そこで我々は、サムライカレーをおばちゃんの所に届ける代わりに、おばちゃんにクメールカレーを届けてもらうことにしたのです。

アイデアが出たら「爆速で行動」(ヤフーさん、パクってすみません)がサムライカレー。「だったら、おばちゃんにカレー習えばよくね?」「ちゅか、おばちゃん雇っちゃわね?」「で、日本風にアレンジしてサムライクメールカレーにしよう!」などと考えながら、早速翌日おばちゃんの所に交渉に行くことにしました。

できる限り、おばちゃんのスキルを盗もう。徹底的にメモと写真を撮ろう。英語が話せるおばちゃんの娘と、日本語ができるカンボジア人の女の子(サムライガールズ)にも来てもらって、できるだけコミュニケーションを取ろう。

そんな計画を立てて、おばちゃんの家に乗り込む。そして、みんなでわいわい言いながらカレー作成! できたカレーは、「ヤバイ。マジウマイ」。《次回につづく》

※国土交通省・環境庁主催「第2回若者旅行を応援する取組表彰(若旅表彰)」で特別賞受賞! そんなプノンペンでのカレー屋作りの様子をお伝えするサムライカレー報告会を8月2日(土)に東京・巣鴨で開催します。ぜひいらしてください。

あわせてよみたい:若者よ、カンボジアでカレー屋やろうぜ! やらされ仕事を離れて1か月全力疾走

【プロフィール】森山たつを
1976年生まれ。外資系IT企業、日系大手自動車メーカーに勤務後、世界一周旅行を経てアジア7カ国で就職活動。ほぼすべての国で内定を得たが現地就職せず、「海外就職研究家」を名乗りフリーに。『セカ就! 世界で就職するという選択肢』(朝日出版社)など著書多数。現在はフィリピン・セブ島に在住。ブログ「もりぞお海外研究所」。ツイッター@mota2008

  1. HOME
  2. 生活・趣味
  3. カンボジア人の客が来ない? じゃあ現地の人に料理を教わろう!の巻
access_time create folder生活・趣味
local_offer
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。