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科学的根拠が希薄? 高価な「個人型検診」は不必要との意見

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 20才当時の加賀まりこ(主演映画『月曜日のユカ』でのワンシーン)の表紙が印象的な50才以上の女性をターゲットにした新雑誌『octo∞』(オクトアクティブエイジング)では、ファッション、グルメ、経済など、大人の女性が知っておきたい様々な情報を発信している。

 なかでも、大人の女性にとって絶対に外せないのが医療に関する情報だ。50才以上の女性ともなれば、少なからず健康は気になってくるもので、「がん検診」を受けようと思っている人も多いはず。近ごろは、いろいろながん検診があるが、本当に受けるべき検診はどんなものなのだろうか? 『octo∞』に掲載された女性医療ジャーナリスト・増田美加さんによるコラムを抜粋して紹介する。

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 最近、豪華なホテルでの宿泊や、優雅なランチがついたちょっとセレブな人間ドックが話題です。でも、高いお金を払えばいい医療を受けられるとは限りません。

 そもそも「検診」は、エビデンス=科学的根拠が非常に重要な医療です。けれども、エビデンスの低い、またはないに等しい検診が行われているのが現状。そこで、受けるべき検診と、受ける必要がない(二の次でよい)検診を知っておきましょう。

 まず前提として、「検診なんて、症状が出てからでいいわ」というのは大きな間違いです。症状がない健康な人に広く行う医療が「検診」。つまり予防の一種なのです。

 また、検診には、大きく分けて、国が推奨する「対策型検診」と人間ドックなどの「任意型・個人型検診」の2つがあります。人間ドックの費用が高いのは、健康保険が使えない自費だから。検診でも、エビデンスのある、国が推奨して行う検診には自治体や企業の補助がつくため、無料かつ安価です。ムダに高い人間ドックを優先的に受ける必要はありません。

 では、早期発見のために受けるべき、エビデンスのある検診とは? ズバリ、「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「乳がん」「子宮頸がん」の5つのがん検診と、生活習慣病対策の「検診」です。

 それ以外は、受けることによる利益と不利益を検討して、個人の判断で決めなくてはなりません。ぶっちゃけていうと、今、増えているアンチエイジングドックなどの検診は、ほとんどエビデンスがない、あるいはかなりエビデンスの低い検査項目が多いのが現実です。つまり、受けなくてもいい検診を、みなさんありがたがって高額払って受けているということ。

 このご時世、病院も経営が大変ですから、高額の収入が得られる検査を行いたい気持ちはよくわかります。けれど、本来ならエビデンスの低い検診を行うときは、医療機関や医師が、受信する私たちに対して、利益と不利益について十分説明する義務があるのです。

 もちろん、5つのがん検診を受け、生活習慣検診も受けた上で、さらにお金と時間に余裕のある人が、納得してそれ以外の検診を受けるのは自由です。でも「高額の費用を出して受ける価値があるだろうか?」と、私は正直疑問です。

「いやいや、国が推奨する検診は、国家の医療費対策とか、国全体のため。それよりも、1人ひとりを大切にした個人型検診を受けるべきだ!」という医療者もいます。

 でも、それは違う。なぜなら、「死亡率を減らすというエビデンスがある」検診というのは、「個人」に効果があることの証明の積み重ねだからです。個人のメリットの集積が集団としてのメリットとなります。つまり、国が推奨しているがん検診は、国民全体のためだけでなく、個人にとっても効果があるという証。「個人が受けるがん検診」と「国のがん対策としてがん検診」とは、要は同じなのです。

 たとえ、最新機器の先端ハイテク技術を使ったテーラーメイドの人間ドックを受けても、国の推奨している検診以外の検査項目のエビデンスは低くなります。不必要なもの、不利益が上回るものが含まれている“可能性が高い”んです。なんでもかんでも、数多くの検診を受ければいいってものではないのです。


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