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勘違いした空手家の運命やいかに?

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Q.

 英国人Xは空手3段の腕を持っていました。夜中帰宅途中、女性が「ヘルプミー」と叫びながら男性ともみ合っているのを発見。とっさに、男女の間に入りました。すると、もみ合っていた男はXが自分に襲い掛かってくると誤解し、両腕を顔のあたりに上げるような姿勢をとりました。Xはこの姿勢がファイティングポーズであると誤解し、回し蹴りをお見舞いしました。回し蹴りを受けた男はその場に転倒。数日後に死亡してしまいました。Xは女性を守れたと思ったのですが、なんとこの男女、ふざけてじゃれあっていただけでした。

 さて、Xはどのような罪になるでしょうか?

(1)女性を守ろうとした行動に非はないため無罪になる。
(2)勘違いとはいえ、人を死なせてしまった。ただ意図的に殺すつもりではなかったと思われるので傷害致死罪にとどまる。

A.

正解(2)勘違いとはいえ、人を死なせてしまった。ただ意図的に殺すつもりではなかったと思われるので傷害致死罪にとどまる。

 女性を守りたい一心で、勇敢な行動に出たXは実在しました。法律の世界では、「勘違い騎士道事件」として有名です(最高裁判所昭和62年3月26日決定)。

 この裁判例、判決がゆれたことでも有名です。第一審の地裁判決では、誤解であったとしてもファイティングポーズを取った男に応戦するのは正当防衛であるとして無罪を言い渡しました(千葉地方裁判所昭和59年2月7日判決)。
 ところが、第二審と最高裁の判決では、空手3段の腕前を誇る英国人Xによる回し蹴りは、さすがに防衛としてはやりすぎな手段だったとして、正当防衛は成立せず、過剰な防衛であったと判断。通常の傷害致死よりは刑を減じて適用することになりました。

 その強さがあだになってしまった、なんとも言えないやりきれなさがあります。

元記事

勘違いした空手家の運命やいかに?

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