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就職率「7年連続日本一」 福井大学は、なぜそんなに「優秀」なのか?

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「サンデー毎日」7月27日号によると、全国の国立大学(回答:558校)の中で就職率トップに輝いたのは、福井大学(福井市)だったという。

2013年度の就職率は全国平均が81.7%のところ、福井大学は96.7%。ほとんどの学生が就職を決めている。これで国立大学では7年連続で1位となった。なぜ、福井大学はこれほどまで「就職に強い」大学となったのだろうか。

就職に有利な「学部構成」も関係

福井大学には3学部あり、就職率は教育地域科学部(98.5%)、医学部(96.2%)、工学部(94.5%)といずれも高い。この理由を同大学の学務部就職支援室に取材すると、担当者は、

「もともと就職に有利な学部構成ということもあります」

と明かした。確かに医学、工学、教育分野は就職につながりやすい専門性がある。

同大のウェブサイトによると教育地域科学部の卒業生は、学校教育課程は教員が60%、進学が23%を占める。地域科学課程では企業・施設団体が62%あるが、ほとんどの人が地元の地銀やJA、県庁や市役所に勤める。

もともと教育地域科学部の卒業生の91.7%は福井県出身だが、就職地も福井県が87.2%を占める。地元就職先に対する強いブランドがあるのだろう。

医学部の卒業生は、医学科では23%、看護科にいたっては49%が母校の福井大学病院に就職する。工学部は、機械工学科と電気・電子工学科ともに、進学が6割近くを占める。

また、地方の国立大学ならではの面倒見の良さが奏功しているという。

「各学部・大学院に就職委員会や、就職担当教授が配置されていて、教授や教員がきめ細かく学生の面倒を見ています」

1年次から「インターン」募集。きめ細かいマッチング

大学では、学生一人ひとりの希望や現状を細かく把握する体制を取り、教員と就職委員会、就職支援室が一体となってサポートしているという。

「もうすぐ夏休みに入りますが、まだ内定が出ていない学生を把握して、教員が電話などで声掛けするなど積極的に支援しています。この時期に公務員志望や進学から切り替える学生も多く、例年秋にも内定が出ています」

こうしたきめ細かい支援が可能である背景には、企業との密なコミュニケーションがある。県内企業の見学会やインターンシップは1年次から募集しているし、経営者と直接話ができる懇談会も開催しているという。

「大抵の学生は企業のことを全く知らない。そこで早期から企業や経営者に触れる機会を多くつくり、直接アドバイスや面接指導などを受けられるようにしています」

さらに学生サークルの協力も得て、内定を獲得した先輩が積極的に就活中の後輩をアドバイスしている。エントリーシートの添削や、グループディスカッションの練習から企業見学のバスツアーまで、目線の近い先輩が支援する体制も整っている。

結果、大学内で開催している個別企業説明会の参加企業は、16年卒向けで210社から300社にまで増えた。県内の企業だけでなく、東京・大阪・名古屋の企業も多く、製造業を中心に多くの企業から注目が集まっているという。

説明会は1社に1教室が割り当てられ、学生は授業の合間に参加できる。少人数で企業の説明が聞け、希望すればその場で選考が行われることもある。企業と学生双方にとって、時間をかけてマッチングできる機会になっている。

3年以内離職率も「7.1%」と驚異的な低さ

このようなきめ細かなマッチングの結果か、福井大学の卒業生の3年以内離職率は、全国平均が31.0%のところ、7.1%と驚異的な低さにとどまっている。就職後の定着率が高ければ、企業がコストをかけて参加するのもうなずける。

代々木ゼミナールのデータによれば、福井大学の偏差値は医学部を除けば50前後。大学の入学難易度が就職先に大きく影響するといわれる中、必ずしも難関とはいえない同大学の就職率は目を見張るべき成果だ。

大都市では学生生活を送るうちに、学生はいろいろと「寄り道」をしてしまう面もあるのかもしれない。前述の担当者もこのような要素を認めている。

「福井はそんなに遊ぶ場所もないですし、マジメで誠実な学生が多く集まっている。そうした学生と本学の教育がうまくマッチして、企業にとって有益な人材が輩出できているのではないでしょうか」

少子高齢化により、地方の就職先が今後も安定している保証はない。とはいえ、社会人生活を円滑にスタートさせることを考えると、中途半端なレベルのマンモス大学に行くよりも、細かい支援を受けて自分に合った企業に入るのも悪くないのではないか。

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