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不正競争防止法って何?

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 通信教育大手「ベネッセコーポレーション」の顧客情報が大量に流出した問題で、警視庁は7月10日に不正競争防止法違反(営業秘密の複製)容疑で、データベースの管理会社にシステムエンジニアとして派遣されている男性を逮捕しました。今回は、不正競争防止法とはどのような法律なのか、について取り上げます。

 経済が正常に機能するためには、市場における競争が公正に行われる必要があります。他人が開発して商品化したものを模倣して安く販売して利益をあげるような場合、企業は商品開発意欲を失います。商品の中身を偽装して安く販売すれば、消費者は商品の購入自体を控えるようになります。これらの結果、市場における競争が期待できなくなり、経済の健全な発展は望めなくなってしまいます。不正を防止して、真摯に営業に取り組んでいる人を保護することがこの法律の目的です。2013年に世間を騒がせた食品偽装問題に対処するため、原産地の偽装についても本法律で処罰できるように、昨年改正されました。

 不正競争防止法では以下の行為が禁止されています。

・需要者の間で広く知られている商品等表示の混同惹起
・全国的に知られている商品等表示の冒用
・商品の形態を模倣する行為
・営業秘密を侵害する行為
・技術的制限手段を解除する装置等の提供
・ドメインネームの不正取得等
・商品・サービスの原産地、品質等の誤認惹起表示 等

 そして、不正競争防止法に違反した場合には、民事的措置として差止請求権(3条)、損害賠償請求権(4条)、信用回復の措置(14条)等をとることができます。刑事的措置としては、営業秘密侵害罪として10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金又は併科、その他の侵害罪として5年以下の懲役又は500万円以下の罰金又は併科等が定められています。

 会社で保管されている名簿情報を持ち出して、名簿業者に販売した行為は、上に挙げた「営業秘密を侵害する行為」に該当します。営業秘密とは、

(1)秘密として管理されていること
(2)事業活動に有用な情報であること
(3)公然と知られていないこと

という要件を充たす情報をいいます。裁判例においては(1)の秘密管理性について争われることが多いですが、警視庁は、今回名簿データが置かれていた場所が、一般社員は入室できないように措置が施されていること、入出記録をつけていること等から秘密管理性が認められると判断し、逮捕に踏み切ったそうです。

 上記の行為は「営業秘密を侵害する行為」の典型といえますが、そのほかにも在職時に営業秘密であるデータをダウンロードして自分の記録媒体に入れて、転職先に持っていくといった行為も増えています。2014年3月には同様の事例で東芝が提携先の元社員を不正競争防止法違反容疑で告訴しています。また、自分で作成したメールやプレゼンテーション資料は自分のものであるとして、会社の外に持ち出すことも、内容によっては「営業秘密を侵害する行為」にあたります。
 今回の事件を受けて、企業の営業秘密に対する管理は厳しくなることが予想されます。ご自分の行動が営業秘密を侵害していないか常に注意を払い、慎重に行動することが求められるといえるでしょう。

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