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カンボジアは「海外進出の実験室」 未開の市場で日中韓が投資合戦

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カンボジアはここ数年、経済成長率が年7%を超え経済成長が著しい。1970年から20年以上続いた戦争の影はほとんどなく、首都プノンペンの大通りには日本の高級自動車レクサスが次々と走る。

マクドナルドやコンビニはないが、日本の流通大手イオンが6月30日、初めて首都プノンペンに大型ショッピングモールをオープンしたことでも話題となった。2014年7月21日の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)は、巨大な未開市場として注目されるカンボジアに、中国や韓国も含めた投資競争が起きている現場を紹介した。

「マーケットをクリエイト」できる勢いがある
イオンモールプノンペンのウェブサイト

イオンは200億円を投じて、カンボジア最大のショッピングモールを建設。190店舗の専門店やボーリング場、シネコンまで備える。イオンカンボジアの鷲澤忍社長は、なぜいまカンボジアなのかをこう語る。

「近代的な小売業は非常に少なく、百貨店や総合スーパーもない。そんな中で、生活を変えていく、マーケットをクリエイトしていく(可能性がある国だ)」

街で新型のスマートフォンを選んでいたマラディさん(30代)に話を聞くと、月収約5万円で平均的な収入より少し多いという。自分たちの世代はとても頑張って働いていると語り、「もっといい暮らし、良い収入が得られる仕事がしたい」とのこと。イオンのターゲットはこんな中間層たちだ。

昔ながらの市場「オールド・マーケット」は売り物がそのまま無造作に並べられていて、鮮魚にハエがたかるのが普通の状態。イオンのパック詰めの精肉は珍しく、価格が高めではあるが「こういう新鮮な肉を子供に食べさせたかった」と好評だ。最初は市場とあまり変わらない値段で売って良さを確かめてもらうという。

プノンペンのトンレサップ河には、日本の援助で作られた「カンボジア・日本友好橋」がある。地元で「日本橋」と呼ばれ、紙幣の図柄にも採用されている。流通や通勤になくてはならない橋で、住民たちは「あの橋を作ってくれた日本に感謝しているよ」と語る。

過去には「内戦終結」に尽力した実績も

しかし現在そのすぐ横に、中国によって同じような橋が建設されていた。渋滞解消のために、上下線に分けるのだという。各所にマンションやホテルも建設中で、そのひとつはシンガポールのマリーナベイ・サンズそっくりなデザインだ。さらに韓国企業もマンションを建設しており、成長するカンボジアをめぐって投資合戦が始まっていた。

日本経済新聞社・編集委員の田中陽氏の解説によると、日本の「この10年間のカンボジアへの投資額は、中国の25分の1に過ぎない」という。

日本は1990年に、カンボジア内で対立する4つの勢力を日本に呼んで交渉のテーブルにつかせ、内戦終結へと導いた。「カンボジアに関する東京会議」と呼ばれるものだ。さらに過去2000億円以上のODAを行っている。

このような背景もあり、カンボジアの親日感情は強い。しかし中国は、昨年1年間だけで350億円の援助を行っているという。

カンボジアに初進出する日本企業は、イオンばかりではない。タマホームはTAMASAという海外駐在員向け高級アパートを経営し、さらにカンボジア経済特区に駐在員向けのホテルを建設する予定だ。開発マネージャーの竹内亨さんはこう語る。

「いまプノンペンは乱開発が進み、場当たり的にビルが建っている。日本には『都市計画』『街づくり』『再生』のノウハウが積まれているので、我々の力で活性化させる、そういうことができたら最高だと思います」

「現地のデメリット」配慮で差別化を

イオンで買い物する客たちは、経験したことのない豊富な品揃えに喜び、「普段なら2カ月かけて使う金額を1日で使ってしまった」と照れ臭そうに話した若いカップルもいた。

急激に経済成長して市民生活が変わっていくカンボジアを、日本や中国などの思惑で振り回しているのではないかと心配になる面もあり、筆者は番組ゲストで国際ジャーナリストの竹田圭吾氏が最後にこう話していたのに共感した。

「社会の消費や流通が進化していくときの、マイナス面まで配慮したような進出の仕方を日本企業がしていくと、カンボジアの人たちにも喜ばれるのではないか」

確かにその点は、他国との差別化が図れるかもしれない。番組によると、現地企業との共同出資が求められることの多い東南アジアの国には珍しく、カンボジアは「100%独自資本で企業が設立できる」特徴があり、ひとつのメリットになりうるという。

万一事業に失敗しても撤退しやすく、ダメージも少ないため「海外進出の実験室」になりうるということだ。さまざまな試行錯誤が可能なことで、新しい成長の芽を探る期待も広がるが、ぜひ現地の人たちにとってもメリットのあるような進出をしてもらいたいと思う。(ライター:okei)

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