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13年で8回引越しも! 「転勤族の妻たち」にNHK「自己分析」推奨

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会社が社員の生活を丸抱えする代わり、社員は会社の命令に逆らえない――。そんな日本の企業社会を象徴するのが「転勤」だ。子どものころ親と一緒に数年ごとに全国を転々として、友達ができなかったと嘆く人もいるだろう。

社員と家族の生活に配慮して、むやみな転勤を減らす会社もあるが、いまだに続ける会社もあるようだ。2014年7月14日放送のNHK情報番組「あさイチ」では『転勤族の妻(オンナ)たち』なる特集を組んだが、その中には13年間で8回の転勤を繰り返した家庭も登場した。

モヤリーヌの悩みは「人間関係」「仕事」「子どもの教育」

番組では転勤族の妻を「転妻(テンツマ)」と紹介。転妻コンサルタントの奥田美和さんによると、女性がぶち当たる「人間関係」「仕事」「子どもの教育」といった問題に、転勤が大きく影響を与えるという。

「やりたいことがあったのに、夫の転勤や、妊娠出産などでモヤモヤして、地方に知り合いもいなくて相談できる相手もいない。夫も新しい環境に慣れるのに必死で、話を聞いてくれなくなってモヤモヤしていく人はたくさんいます」

奥田さんは、こうしたモヤモヤを抱える転妻=「モヤリーヌ」1000人以上の相談に乗ってきた。転妻歴13年で転勤8回を経験しているAさんも、夫ではなく奥田さんに相談して、モヤモヤが解消されたという。

化粧品メーカーに勤めて8年目で結婚し、転勤を機に退職した。その後も夫は1~2年で転勤を繰り返したため、希望の仕事に就けなくなった。

仕事探しを諦め、子育てに専念するも「どこか満たされない」。そんなときAさんは奥田さんに「自己分析シート」の作成を勧められた。

「私は◯◯です」と自分が何者かを20個書き出し、次に自分が「好きなモノ」を30個書き出す。自分の特徴や、何に悩んでいるのかをあぶり出すためだ。この分析には番組司会の有働由美子アナも参加し、「書くことがなくなりはじめるとホンネが出てくる」と感心していた。

単身赴任で元気なくなる父親に子が同情

Aさんはこの自己分析で「メークの仕事への思いを抑えていたこと」がモヤモヤの原因だったことに気づいた。そこで奥田さんの後押しもあり、メークの仕事もできるエステサロンに就職。いまでは個人でも仕事が請けられるようになって、モヤモヤも解消したという。

しかし13年で転勤8回とは会社も配慮が足りないのではないか、自己分析より「会社の変革」こそ必要ではと感じてしまうが、番組の出演者たちは転勤自体は「仕方ない」というスタンスのようだ。

番組ではゲストの内藤剛志さんが「自分の父を思うと、結構、一生懸命やっていたと思います」と振り返り、室井佑月さんも「家族を食べさせるだけで一生懸命だもんね」と、会社に翻弄される父親に同情的だ。

もちろん父親だけが転勤する「単身赴任」という方法もあるが、「家族一緒に暮らしたい」という気持ちもある。番組では、単身赴任先とテレビ電話をつなげていたが、日に日に元気がなくなる父親を見て、子どもたちが地方移住を受け入れたという家庭を紹介していた。

一番危ないのはNHK自身?

一方、転勤制度を見直す企業も出てきている。5月放送のNHK「クローズアップ現代」では、日本政策金融公庫の例を紹介。現役社員に「将来離職の要因」を尋ねたところ、男女ともに「転居・転勤」が1位に。そこで結婚、出産、育児や介護を理由に転勤を一時的に見合わせる特例制度を整えたという。

周囲が多様な働き方を認めるようになれば、転妻たちの「モヤモヤ」も少しは解消されるだろう。しかし「あさイチ」ではNHK職員の妻たちの声として、

「転勤先の新居が引越し1週間前にならないと分からず、学校も駐車場も決められない。夫は送別会続きで頼りになりません」
「子どもの小学校のPTA役員決めでは毎年『転勤の可能性があるので』と断っていますが、(転勤しないので)転勤するする詐欺と言われています」

と紹介されていた。何とも皮肉めいているが、全国展開するNHK職員が番組に込めた「内部告発」と見るのは、うがちすぎだろうか。

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