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文学における対立構造をポップにイラスト化! 代表作品をまとめてみた

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INCIDENTAL COMICS(http://www.incidentalcomics.com/2014/05/conflict-in-literature.html
CONFLICT IN LITERATURE(文学における闘争)」と題された上記の画像がTwitterで話題になっています。

イラストはCLASSICAL(古典)、MODERN(近代)、POSTMODEN(現代)における文学作品における闘争遍歴、その時代に中心的に取り組んできたテーマを、ポップなイラストによってざっくりと解説したものです。文学に詳しい人は「なるほど!」と納得するもので、詳しくない人にとっても一目で勉強になるという秀逸な出来となっています。

しかし実際にどんな作品がそれぞれに当てはまるのか、パッと言い当てるのは少し難しいです。あくまで参考として下記にまとめてみました。気になる作品があれば読んでみましょう!

CLASSICAL(古典)

MAN vs NATURE

ダニエル・デフォー『ロビンソン・クルーソー』
鴨長明『方丈記』

わかりやすく人vs自然、自然の脅威について書かれた作品です。昨今ではあまりリアリティーがないのか、メインのモチーフには成りづらい印象です。

『方丈記』は当時の飢饉や自然災害といった状況を知るうえでも大事な資料となっているようです。

MAN vs MAN

ホメロス『オデュッセイア』
ソポクレス『オイディプス王』

人同士のかかわり合い、嫉妬や恋愛を描いた作品。普遍的なテーマだと言えるでしょう。

『オイディプス王』は文学やあらゆる物語でテーマとされ、長く書かれ続ける「父殺し」を題材にした古典作品です。個人的には人vs人の争いが一番怖いなって思います。

MAN vs GOD

ダンテ『神曲』
ミルトン『失楽園』

科学技術ではなく、精神世界が尊重されていた時代に、神や悪魔、天国や地獄といった概念について書かれた作品です。基本的に神様に勝てるはずがなく、人間は翻弄されまくる感じになってます。

時代区分はまったく違いますが、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトさんをはじめとする作家たちがつくりあげた「クトゥルフ神話」の小説も基本的に人vs神の構図になっています。

MODERN(近代)

MAN vs SOCIETY

ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』
トルストイ『戦争と平和』

人vs社会というのは、その時々によってまったく状況が違うものです。それ故、どんな時代にもたくさん書かれていますが、特に有名な物をピックアップしてみました。

『ドン・キホーテ』は当時の社会の風刺・カウンターとして執筆された作品です。『戦争と平和』は、実際にあった戦争を背景にしながら、ロシアの貴族・平民が社会に抗う様を描いています。

MAN vs SELF

ジャン=ポール・サルトル『嘔吐』
太宰治『人間失格』

自意識や自己について深く掘り下げられた作品です。自己嫌悪や狂気、「なぜ生きるのか」という感じのテーマは、いわゆる近代と呼ばれる区分に爆発的にメインの題材となっていきました。

『人間失格』は現代でもかなり多くの人が読んでいるはず。『嘔吐』は実存をめぐるかなり難解な作品ですが、現代だと「中二病」という便利な言葉ができたので、シンプルに片付けられるようになってきた印象です。

MAN vs NO GOD

アイザック・アシモフ『存在しなかった惑星』
フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラはかく語りき』

神は死んだ」という哲学史上でも1、2を争うパンチラインで知られるニーチェさんが、神の不在について小説形式で描いた作品が『ツァラトゥストラはかく語りき』です。

ロボット工学三原則」の提唱者として知られるSF作家・アシモフさんは、その神の死・不在について、科学的な論拠によって証明を試みました。

POSTMODERN(現代)

MAN vs TECHNOLOGY

グレッグ・イーガン『ディアスポラ』
伊藤計劃『ハーモニー』

いきなりググっと新しい作品になります。人vsテクノロジーということで、そういった傾向の題材を扱うのは、やはりSF作品が多いです。

イーガンさんの『ディアスポラ』は30世紀(!?)の未来を舞台にしていて、もうその頃には人間は身体を持っておらず、データになっちゃっています。伊藤計劃さんの『ハーモニー』は高度に発展した医療・監視社会におけるディストピア/ユートピアについて書かれた作品です。

MAN vs REALITY

安倍公房『砂の女』
村上春樹『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』

人vsリアリティー、というと正直意味がわかりませんが、現実に抗う、もしくは虚構/幻想とは何かについて描いた有名作品をピックアップしてみました。ポストモダン文学と呼ばれる作品でよく扱われるテーマです。現代はいままで積み上げてきた現実感を欠いている時代なのかもしれません。

この分野でよく名前が挙がるであろう、村上春樹さん・安倍公房さんは世界でも高く評価されている作家です。ライトノベルやアニメ等でも大きなムーブメントになった「セカイ系」の作品もここらへんに入っていいと思います。

MAN vs AUTHOR

ウラジーミル・ナボコフ『青白い炎』
筒井康隆『朝のガスパール』

ポストモダン文学の切り札、というか特徴として「メタ・フィクション」という手法を用いるのが多いことが挙げられます。作り話(フィクション)であることを意図的に読者に知らせたり、作者自身が物語に現れて、自分の作品や「書くこと」について語ったりしだすという、けっこう面倒な小説です。

日本では筒井康隆さんが有名です。『ロリータ』で有名なナボコフさんも、実はメタ・フィクションを多用する作家です。作品内容を説明するとキリがない感じです。人vs著者…常に争う相手、向き合うべきテーマを探してきた文学は、ここまで到達してしまいました……。

いかがでしたでしょうか。当然、他にもふさわしい作品は星のようにあるとは思いますが、独断と偏見で選んでみました。作品を読んだときに、どんな区分にあてはまるか考えてみるのも面白いかもしれません。

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