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「人間に対して冷たいクールジャパン」 フィリピン人に不当な誓約書要求で日本のネットユーザーも激怒

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少子化で減る労働力人口をカバーするために、外国人労働者の大量受け入れが議論されているが、そんな中、日本の外国人労働者の環境があまりにひどいと批判を集めている。

報道によると、関西地域で介護施設を経営している「寿寿」社が、フィリピン人女性職員を採用する際に、本人が死亡しても施設の責任を問わないで「永久に権利放棄する」という誓約書をこれまで30人程度書かせていたという。共同通信が配信した記事の画像を拡大すると、次のように読める。

「私、〇〇は自分の自由意志において、これによって宣言して明示します」
「私は、日本にいる間に自然な状況による文末の署名者が死亡した場合、その状況から発生する全ての金銭あるいは他の任意義務行為から、ジュジュ社、その役員、管理者、代表者、又は、社員を、開放し、権利放棄し、又、永久に放棄します」

「日本の若者ですら使い捨てにする国が」

同社で働いていたフィリピン人女性は、同社が建て替えた渡航費数十万円を借金として抱えさせられ、転職したくても辞めることができない状況だった。さらに宿直を月13回させられ、給与の一部が積立金として天引きされていた。

天引きは渡航費返済の焦げ付きに備えて行っていたというが、厚生労働省大阪労働局は寿寿に対し、この積立金の返済を命じたという。このニュースには、ネットユーザーから強い批判が集まっている。

「世界よ、これが日本だ!」「屑過ぎて笑えない」
「飛行機にペット乗せる時の誓約書みたい。狂っている」
「人間に対して冷たい、これがCOOLJAPAN」

このほか、「日本人の若者ですら使い捨てにする国が、外国人を大事に扱うわけがない」と、弱者から搾取する日本の企業社会の根深い問題だと指摘する人もいる。

寿寿の児林健太代表取締役は、ウェブサイト「大阪の社長.tv」のインタビューに対し、「日本での全国展開は考えていません」「2015年までに日本の介護を、中国や台湾といった『お箸の文化』がある地域に輸出していきたい」と答えている。

その一環で外国人労働者の受け入れを進めていたのかもしれないが、これでは単に「海外アジアから安い労働力を調達して儲けたかっただけ」と非難されてもしようがない。

出稼ぎ先を韓国、台湾に切り替えるアジア人

元々日本は、外国人労働者に人気がない。7月9日放送のNHK「クローズアップ現代」では、日本へ「外国人技能実習生」を供給するミャンマーの学校の様子を紹介していたが、ここでは入学者の4割が途中で辞め、出稼ぎ先を日本から韓国に切り替えるという。

これまで実習生を日本に送り出してきたベトナムでも、日本ではなく台湾が出稼ぎ先に選ばれている。日本では外国人労働者は「見習い」の実習生として扱うのに対し、韓国、台湾ではきちんと労働者として扱う。また、仲介業者頼みの日本に対し、韓国と台湾では政府が積極的に受け入れ事業を行なっているという違いがある。

さらにこの2国では、行政が外国人労働者の環境が守られるよう様々な対策を行なっている。定期的な査察のほか、韓国では、職場で不当な扱いを受けたバングラデシュ人が、政府の支援を受けて別の会社に転職した事例もあった。

職場に抗議をして失職すると本国に帰らなくてはいけなくなる日本とは大違いだ。渡航の初期費用の面でも、日本は100~300万円かかるのに対し、韓国はその3分の1から5分の1程度で済む。

「AERA」7月14日号によると、外国人技能実習生の手取りは月5万円以下で「時給数百円」になるケースも珍しくないという。「国家公務員一般労働組合」のブログによると、2012年の外国人実習生問題シンポジウムでは、ジャーナリストの安田浩一氏が雇用契約書に「会社の言うことは絶対に守らなくてはいけない」「男女交際をしてはいけない」と書かれていたケースを紹介したそうだ。

国交省が「建設分野」からメス

実習中に死亡することもある。国際研修協力機構の「外国人技能実習生の死亡事故発生状況」によると、実習生の年間死亡者数は2008年度に最高の35人を記録。2012年度も19人死亡している。

早朝にベッドで心肺停止状態になっていた中国人女性を始め、20~30代の突然の死亡事例が複数あった。過酷な労働環境と、なんらかの関係があるのではないか。

日本でも、一部で対策を進めている。国土交通省が建設分野で働く外国人労働者に、同じ技能を持つ日本人労働者と同等以上の報酬を支払うことを定めた法整備を進めているという。

今回のフィリピン人女性職員がどのような資格で働いていたのかは不明だが、人口減による労働力不足を「海外移民」で補おうという意見もある中で、日本人従業員を含めた日本企業の労働環境の健全化が求められることは確実だ。

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