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旭硝子の躍進支える5000人の技術者 新プロジェクトに「すぐ人材を揃えられる」しくみ

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板ガラスで世界のトップシェアを競う旭硝子は、年商1兆3千億円を誇る巨大企業だ。しかし、いまや稼ぎ頭となったテレビの液晶ガラス開発には、当時の設計担当者だった現社長・石村和彦氏が「針のムシロだった」というほどの苦労があった。

2014年7月10日の「カンブリア宮殿」(テレビ東京)は、「易きになじまず難きにつく」という創業者の言葉を守り、困難な挑戦を決して諦めない技術者たちを擁する旭硝子の強さに迫った。

能力のレベルに応じて瞬時に探し出せる

堅い物体に見えるガラスも、実は結晶材料ではなく、原子構造は単純に言えば「液体」だという。、いろいろなものを混ぜることができ、混ぜ方によってさまざまな特性を出すことが可能なため、非常に進化させやすい素材だという。

番組では、コピー用紙より薄いガラスや、ハンマーで叩いても割れないスマートフォンのカバーガラス、額縁にはめ込む反射がほとんどないガラス、暑さ寒さを室内に伝えないガラス、紫外線99%カットする自動車用ガラスなど、旭硝子が開発した高機能のガラスが次々と紹介された。

高い技術力を支えるのは、旭硝子に所属するすべての技術者をデータベース化した「スキルマップ」というシステムだ。5000人もの様々なスキルをもつ技術者を、能力のレベルに応じて瞬時に探し出せる。技術人材戦略部の寺田一郎部長はこう説明した。

「優秀な人材をキャリアアップさせるだけではなくて、今は眠っているような人材を有効活用する面もあります」

これを使えば、新しいプロジェクトを立ち上げる際もすぐに人材を揃えることができるし、技術的に行き詰ったときアイディアがもらえたりする。

石村社長の発案で作られたこのシステム、きっかけは、かつて設計担当者として苦労した液晶ガラス開発の現場で、技術者に助けられた経験からだった。

400億円の工場を「連続ガラス割り機」と非難された過去

1990年初頭、液晶テレビが普及する以前、アメリカのコーニングが世界に先駆け液晶用ガラスの製造方法を確立。製造に関わるほぼすべてに特許をとり、市場の独占を目論んでいた。

これに対抗して旭硝子は1989年、約400億円を投じて液晶用ガラス工場を建設した。ところが、石村氏が設計した機械はことごとく失敗。1年以上なんの製品も生み出せなかった。石村社長は、笑いを交えながら当時を振り返った。

「連続ガラス割り機だと(言われた)。もうダメだなと思いました。『全てお前が悪い』と言われた時代です」

番組で「易きになじまず難きにつく」と紹介されたことについても、「かっこよく編集されていましたが、後発メーカーとして『難きにつく』をやらざるを得なかったというところからスタートしている」と率直に明かす。

「とるべき道というのは、コーニングからノウハウを買ってやるか、非常に難しかったが独自の手法でやるかしかない。でも安易に技術を買うのではなく、我々の方がトライして成功すれば、その果実は大きいという判断はあった」

強化ガラスがW杯公式ベンチに採用

針のムシロという状況でも諦めない石村氏の姿をみた現場の技術者たちは、自分たちの得意分野を持ち寄って助けてくれるようになり、事態は好転していった。5年後、液晶用ガラスは軌道に乗り、現在では旭硝子の利益の9割を占めるほどに成長している。

新工場を立ち上げたブラジルでは、最新技術で生まれた強化ガラスがサッカーW杯公式ベンチに採用された。これを宣伝材料に、世界トップの座も狙う。

社長自らが優秀な技術者であるとともに、協調によるモノづくりの重要性が骨身にしみている人だということが、高い技術力を誇る旭硝子の強さなのだと感じた。(ライター:okei)

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