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薬局・薬剤師業界による巨額献金で処方箋薬ネット販売が禁止

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 政府が先日発表した新成長戦略は、岩盤規制打破を目指したはずだった。しかし、ごく一部の既得権者が利益を確保する仕組みの多くは温存されたままだ。様々な分野にはびこる「岩盤規制=役人の掟」の全容を明らかにする話題の新刊『日本人を縛りつける役人の掟』(小学館)を上梓した元キャリア官僚・原英史氏が、薬品の規制について斬り込む。

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 6月に改正薬事法が施行され、「薬のネット販売解禁」だと話題となった。国民生活が便利になる規制緩和だと思うかもしれないが、大間違いだ。

 処方箋なしで買える大衆薬については大部分がネットで購入できるようになった一方で、今回の改正ではこれまで法律に明記されていなかった「処方箋薬のネット販売の禁止」がこっそり盛り込まれた。

 病院で医師から処方される薬は院内でもらうか、薬局で買うもの―と思っているかもしれないが、欧米先進国ではネット販売が当たり前(もちろん大衆薬の販売も認められている)。

 診察だけ受けて家に薬を届けてもらえるようになれば薬局に出向く必要がなくなり、移動が困難な高齢者などにとっては大いに助かるはずなのに、日本では許されない。

 裏側には、既得権者である薬局・薬剤師業界の存在がある。ネット販売が認められれば、昔ながらの薬局にとっては大打撃だ。本当のところ彼らは大衆薬のネット販売解禁も認めたくないのだが、2013年に規制を違法とする最高裁判決が出たため「処方箋薬の利権だけは守ろう」と動いた。市場規模で見れば処方箋薬の売り上げは6兆円を超え、大衆薬の10倍。こちらが利権の本丸だ。

 なぜ薬局・薬剤師業界の思惑通りにことが運ぶかといえば、彼らが政界に数億円単位の献金をして集票マシーンとして機能しているから。厚労省から業界団体への天下り等を通じて役所とも密接な関係にある。

「鉄のトライアングル」によって、少数者の既得権のため国民が不便を強いられる典型例だ。

※週刊ポスト2014年7月18日号

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