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大森靖子、ロボットレストランで関係者をも黙らせる——OTOTOYライヴ・レポート

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大森靖子、ロボットレストランで関係者をも黙らせる——OTOTOYライヴ・レポート

大森靖子が6月27日、東京・新宿歌舞伎町のロボットレストランにてワンマン・ライヴ〈背徳ロボットライブ~3000枚CD買ってもふられた編~at 歌舞伎町 ロボットレストラン〉を開催した。なお、同所でアーティストがライヴをするのは、これがはじめてとのこと。この日多く訪れていた関係者をも黙らせる、強烈なステージを披露した。

ロボットレストランはもともと、ロボット・ショーが観られるレストランとして営業しているため席数が少なく、チケットは発売開始早々に完売。各種オークションでは高額な値段がつけられ、大森のTO(トップオタ)ですら入手に難航したほどである。ライヴを行うホールは地下二階(残念ながら地下一階ではない)にあるのだが、入り口からここに通じる階段の壁が全面鏡張りになっているなど、煌びやかな内装になっていた。ホールに着くと、中央にCDが敷き詰められたステージ、奥になにやらいろいろなセットが用意されており、サイドの座席に観客が座っている。なお、この日はメディアや音楽関係者も多く招待されていたのだが、そのほとんどが入り口付近での立見。お客さんが座り関係者が立見という配置は、自分のファンをいつも大切にしてきた大森らしいなと、はじまる前からニヤリとしてしまった。

ゴージャスなデジタル・サウンドが鳴り響くなか、大森の壮絶なシャウトが聴こえる。すると会場の奥から、電飾に彩られた飛行機を模したセットにぶら下がった大森が登場。歌いながら、セットごと客席の方へと向かってくる。どうやらこの曲は新曲の「きゅるきゅる」のようだ。1コーラスを歌い終えると飛行機から降りて、ステージの上で歌いながら少し気だるそうな表情で転げ回る。続いて、重低音が強調されたオケをバックに、大森がドスのきいた言葉をラップのように次々と投げかける。こちらも新曲の「私は面白い絶対面白いたぶん」。サビでは曲調が一転して明るくなると、ふいに登場した青と赤のロボット2体がステージのまわりをくるくるとまわる。その中心で歌う大森はとても楽しそうだ。曲が終わりロボットが去ると、残された大森は「君がとおってきた全部の自動ドアは、私が全部手動で開けてたんだよ」と意味深な言葉を発する。すかさず、「せーの!!」と叫ぶと、それを合図に奥のセット上で待機していた女性たちが、一斉に威勢いい声をあげながら太鼓を叩いた。

続いて、大森がドラム・セットが置かれた別のセットに乗って再び登場。今度はギターを抱えている。肩ならしのように激しくギターを搔き鳴らすと、「新宿」がはじまった。次の「エンドレスダンス」の演奏が終わる頃に、マイクがスタンドごとセットから落下するというアクシデント。慌てて直そうとするスタッフを静止するジェスチャーをすると、そのままマイクなしで「君と映画」を演奏する。空調の音が聴こえるほどの静けさのなかで響く生声。ライヴ開始後しばらくはざわついていた関係者エリアも、誰ひとりとして声を発する者はいない。これぞ、大森靖子である。曲中にセットから飛び降りて、ゆっくりと移動しながら、ひとりひとりのお客さんに語りかけるように歌った。「パーティードレス」では、観客の耳元で囁いたり、顔をのぞき込んだり、歌いながらさまざまな動作を交えオーディエンスの心を掴んでいった。

「歌舞伎町にようこそ! 大森靖子です!!」と晴れやかに挨拶。中央のステージに移動し、今度はマイクをとおして弾き語りで「絶対彼女」「Over The Party」を演奏すると、再びMC。「シングルが9月18日の誕生日に出ま〜す。プレゼントだと思って買ってくださ〜い」とぶっきらぼうに報告。さらに、10月2日、3日に東京キネマ倶楽部でレコ発ライヴを行うことも発表した。続けて「大きくなったら普通の人になりたいって小学校6年生の卒業文集に書いてて、メジャー・デビューすればやっと夢が叶うっていう理論を、この前インタビューですごいインタビュアーの人に否定されて…」とネガティヴなモードで語りだす。「あんまり奇特なことしないようにって言われてるんだった。関係者の人とかもいっぱい来るから、ちゃんとした人だと思われるようなライヴをやりなさいって言われてるんだったー。はははー(笑)」と自嘲気味に笑うと、一部の客は大ウケ。関係者は苦笑いだった。

再びギターを鳴らすと、すでに名曲の雰囲気が漂っている未発表曲「呪いは水色」をじっくり心を込めて演奏した。続く「デートはやめよう」の曲中には、ステージ上に敷き詰められたCDについて説明。「CD3000枚あるんですけど、”なんとか会”でいらなくなったCD3000枚撒いていいですかって訊いたら、うちで(”なんとか会”を)やってるからダメだよって言われて、代わりにちゃんと(空のCDを)3000枚買ってくれました。これこそ本当に無駄遣いです」と笑い、「でもこうやって用意してくれたから、(メジャーで)やっていけなくはなさそうだなって思うので、メジャー・デビュー・シングル買ってください」と話した。続いて観客からリクエストを募るも、華麗にスルーして演奏を再開する。「夏果て」は時折苦しそうに、嗚咽しているかのように咳き込みながら歌い、「あたし天使の堪忍袋」での恒例の合唱を終えると、その場でくるくると軽やかにまわった。

ギターを置いてマイクを握ると、「さようなら」をアカペラで歌いながら歩き出す。動画を撮影中のスタッフ、二宮氏の前で立ち止まると、彼にマイクを向けるというまさかの展開。苦笑いしながら「銀のエンゼルもあと1枚〜」と渋い声で歌う二宮氏。すると大森は「これでさようなら」と続きを歌いつつ「さようならなの? エイベックス雇ってくれなかったの? かわいそう…」と愛情たっぷり、うれしそうに話す。「ありがとう、いままで」と礼を言うと、同調した客席からも二宮氏への感謝の拍手と歓声が沸き起こった。そしてなにかが吹っ切れたように、大森は曲の後半をこの日一番の伸びやかな歌声で歌う。最後に「ありがとうございました!!」と満足そうに挨拶すると、1時間弱のライヴは終了した。

ロボットレストランという特殊な場所で、ロボットたちとの共演や多くのセット、CDを敷き詰めたステージなど、ファンタジーを演出したライヴ。その演出もとても楽しめたが、それよりも、激戦のチケットを入手したコア・ファンと様子見の関係者が入り乱れる空間の方が特異に思えた。そんな空間でも、ギター一本抱えて音を鳴らせば、声を発すれば、オーディエンスと真正面から対峙するいつもの大森靖子がいた。特に前日に新宿ロフトプラスワンで行われた自主企画イベント〈大森靖子の続・実験室〉が完全にホームな空間だっただけに、その対比がはっきりと見えた。(ちなみに前日は大喜利イベントでありながら、高額なオークションへの皮肉を込めて、ロボットレストランでのライヴと同じくらいの曲数を歌った)。特にマイクが落下するトラブル直後の、生音・生声での演奏は圧巻だった。今後もさまざまな場所や環境でライヴをやっていくなかで、その場を大森の色に染めあげる瞬間を目撃するのが楽しみでならない。

なおライヴ後、二宮氏の進退について本人に直接うかがったところ、「これからもこき使われるんで大丈夫です!」という非常に頼もしい答えが返ってきた。今後もいままでどおり大森に楽しそうにいじられる二宮氏の姿を見られそうなので、ファンの方は安心してほしい。(前田将博)

大森靖子結婚!? & メジャーデビューシングル『きゅるきゅる』発売告知!

http://www.youtube.com/watch ?v=kI__EoLIWX4

〈背徳ロボットライブ~3000枚CD買ってもふられた編~at 歌舞伎町 ロボットレストラン〉
2014年6月27日(金)ロボットレストラン

1. きゅるきゅる
2. 私は面白い絶対面白いたぶん
3. 新宿
4. エンドレスダンス
5. 君と映画
6. パーティードレス
7. 絶対彼女
8. Over The Party
9. 呪いは水色
10. デートはやめよう
11. 夏果て
12. あたし天使の堪忍袋
13. さようなら

・大森靖子の音源はOTOTOYで配信中
http://ototoy.jp/them/index.php/82857

・大森靖子 オフィシャルサイト
http://oomoriseiko.info

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