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捕手併用の阪神と広島 鶴岡と倉中心の起用を考えるべき理由

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 野球で「扇の要」と称される捕手は、チームの成績を大きく左右する立場にある。そこで注目すべきは、「cERA」である。別名「捕手防御率」。これは各捕手が守備についているときの、チームの投手陣の防御率を示している(文中の数字は6月30日現在の成績をもとにライター・広尾晃氏の協力で集計)。

 ここからわかるのは、捕手の「リード(配球)の善し悪し」だ。

 防御率は投手の優劣を測る指標として用いられる。しかし球種やコースは捕手が出すサインで決まるのが一般的であり、そのため投手の防御率にはある程度、捕手の責任も含まれる。どんなに実力がある投手でも、リードが単調で相手打者に読まれてしまえば、ヒットやホームランを打たれる確率が上がり、失点に繋がる。

 そこで視点を転換させ、捕手の防御率を算出したのがこのcERAである。もちろんどんな投手の球を受けるかで、捕手防御率は大きく変化するから、一面的なデータではあるが、現にESPNなどのアメリカのメディアでは、他の選手成績と同じように、捕手の守備成績として採用されている。

 日本ではこれまで捕手の優劣について比較するための指標が存在せず、主観や印象論で議論するしかなかった。

 だがこのcERAは有力な目安となり、この数値が優れている捕手こそが「勝てる捕手」だということができる。今回は特に自軍のチーム防御率と比較することで、その捕手のリードの善し悪し、同一チーム内の捕手の比較も示した。

 早速、セ・パ各球団の捕手の査定をしていこう。

 cERAは、特に正捕手を決められず、複数捕手を使い回しているチームの分析に役立つ。最も顕著な例が阪神だ(阪神のチーム防御率は3.99)。

「開幕時に9人も捕手を登録した阪神は、現在も主に鶴岡一成(3.53、カッコ内はcERA。以下同)、梅野隆太郎(4.21)、藤井彰人(4.74)、清水誉(5.88)の4人を併用し、正捕手を決めきれていません。しかし捕手防御率を算出すれば、この4人の中では鶴岡の数値がいいことがわかる。Aクラスすら危うい現状、当面は37歳のベテラン・鶴岡を正捕手に起用することでチームを立て直すことが最優先でしょうね」(広尾氏)

 阪神の失速の原因は、移籍して好成績を残した鶴岡が故障で離脱し、明らかに劣るベテランの藤井を他の若手と併用していることにありそうだ。

 阪神と同じく石原慶幸(3.92)、白濱裕太(3.55)、會澤翼(5.10)、倉義和(2.04)の4捕手を併用する広島では、主に石原がメインで起用されている。しかしcERAを見ると、倉のズバ抜けた数値が目を見張る(広島のチーム防御率は3.69)。

「倉は今年は開幕から二軍暮らしが続いたために出場試合数が少ないが、もともと石原と正捕手を争う選手です。最近、彼が復帰した途端に広島のチーム防御率が大きく改善されたが、これは倉の捕手防御率によるところが大きい。今後は倉中心の起用を考えたほうがいいかもしれません」(広尾氏)

※週刊ポスト2014年7月18日号

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