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「紙をくれ」と言う新聞記者 役所にとってヤギみたいな存在

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 昨年4月、日米両政府がTPP交渉参加の事前協議に合意した際のこと。内閣官房が出した「日米協議の合意の概要」と題された文書には、

<日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品といった二国間貿易上のセンシティビティが両国にあることを認識>とあった。

 各紙はそれを引き写して、

<日本には農産品、米国には工業製品といったセンシティビティー(慎重に扱うべき事柄)があることも改めて確認した>(読売新聞、2013年4月13日)

<日本の農産品と米国の工業製品が「2国間貿易上のセンシティビティ(強い関心事項)」であるとの認識を共有した>(日経新聞、同)などと報じた。

 だが、実はアメリカ政府が発表した説明資料には、「日本の農業への配慮」という主旨の文言は入っていなかった。

 アメリカ側に配慮する気がない証拠と考えられるが、その矛盾を報じたのは<TPP日米事前協議 日本の説明は「粉飾」>(東京新聞、4月20日)くらいだった。

 交渉が本格化した今では何が正しかったか明らかだ。「センシティビティ」のはずの農産品の関税撤廃を巡って日米で厳しい交渉が続いている。

 ジャーナリスト・長谷川幸洋氏(東京新聞論説副主幹)はこう指摘する。

「役所はリリースをそのまま記事にしてくれる記者クラブメディアを、政策を実現するためのイメージづくりの小道具としか見ていません。『新聞記者はヤギみたいなもの。紙をくれと言ってくる』なんてジョークもあるくらい。

 発表内容の何がニュースなのかを自分の頭で考えるジャーナリズムの基本が欠けている」

※SAPIO2014年7月号

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