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「儒教」を知らない中国人 漢文を学ぶ日本人の方がよく知っている

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こんにちは。中国在住の日本人ライター、Hanaです。先日、中国で過労死が増えていることが記事になっていましたが、この背景について編集部から質問がありましたので、個人的な意見を書いてみたいと思います。

様々な見方が存在するとは思いますが、私は中国の過労死と儒教とは関係ないと思います。元の記事では「日本と韓国、中国は儒教ベルトの国」という表現があったそうですが、そのような実感はありません。そもそも中国で、儒教に関する話を聞くことはありません。

目上の人を敬う文化はあるけれど

日本では義務教育の中で、孔子の「論語」などを学びます。「子曰く」というものです。センター試験にも、漢文の科目があるほどです。

一方、中国人は中国の古典について、あまり知らないように見えます。儒教や漢詩、史記などについては、よほど日本人の方が知っているように感じます。中国人に「日本の学校で勉強するんだよ」というと、みな一様に驚きます。

中国の40代より上の年代、特に農村出身者の多くは、1966年から77年まで吹き荒れた「文化大革命」の嵐のため、またはその後の混乱のために、残念ながら十分な学校教育を受けていないように感じます。

学校教育とともに、メディアによる情報の少なさ、レベルの低さが、彼らの文化的欠落に大きく関係しているように思えます。また、テレビなどメディアが流す情報もお粗末なので、海外なら子どもでも知っているようなことを、ほとんどの人が知らなかったりします。

個人差はありますが、例えば、地球の自転、渡り鳥の存在、植物に色素があること、光の速度について、古代エジプトや古代ローマの存在、仏教はインドから始まったこと、ロシアは以前ソ連の主要部分だったこと、黒人はアフリカだけでなく世界中にいること、などなど。

日本人が漢字を使うことを知らない人もいる

日本人に関しても、今の日本に天皇がいること(架空の存在だと思っている人がいます)、日本人も漢字を使うこと(漢字が書けるのか!?と普通に驚かれます)。大卒でも普通に何も知らないので、いったい中では何を教えているのか不思議です。至極簡単な英語も知らない人が多いです。

ただ、目上の人を敬うという文化は確かにあります。年長者や社会的地位の高い人、お年寄りを敬う意識は、日本よりも高いかもしれません。ただ、それは日常生活のことであって、仕事において「上司の言うことは絶対」などということは全くありません。

中国人にとって仕事とは、あくまでも「お金を得る手段」という意識が非常に強く、「勤勉」であることもあまり重視しません。基本的には「イヤなら辞める」「よりよい条件の勤務先があれば遠慮なく転職する」ということが当たり前になっています。

過労死の背景には、中国の労働条件が悪いことがあります。その原因は、何といっても「求人に対して、人がわんさかいること」だと思います。

企業としては一人やめても変わりはいくらでもいるわけで、次の日にでも入社したい人材が選び放題です。「イヤなら辞める」と同時に、「イヤなら辞めろ」という状態になっているのです。

お金のために長時間労働をいとわない

もちろん、個人主義的な傾向の強い中国人ですから、会社に対する帰属意識や仕事そのものへのモチベーションが高いわけではありません。能力が高い人も決して多くありません。

それでもクビになるのは怖いので、彼らなりに少しでも他の社員に対して自己の優位性を保とうとするわけです。それがムリにつながってしまうのでしょう。ホワイトカラーの立場は貴重なので、なおさらだと思います。

ブルーカラーでも、お金のために長時間労働をいとわない人も沢山います。みなそれぞれ、それなりに必死に生きてきたはずなのですが…。一人ひとりが人として尊重されないことに、在中の日本人としては戸惑いを禁じえません。

あわせてよみたい:中国人と日本人の狭間で頑張る人がいる

【プロフィール】Hana
九州出身の30代元OL。日本の中小企業で経理や貿易事務などの業務に携わった後、単身中国にわたる。現在は中国某都市で、日系企業の中国人社員を対象とした日本語教師をしている。中国文化と貿易事務に詳しい。

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