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タクシー料金 値上げすれば本当に運転手の収入が安定するか

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 2014年4月に消費税率が8%に引き上げられ、それと同時に多くのタクシー会社が運賃を値上げし、初乗り料金が概ね10~20円高くなった。元キャリア官僚で規制改革担当大臣補佐官を務めた原英史氏(政策工房社長)は新刊『日本人を縛りつける役人の掟』(小学館)の中で、この値上げの裏側に役所による規制(役人の掟)があったことを解説している。

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 タクシー値上げの背景にあるのが2013年秋の臨時国会で成立した「タクシー減車法(改正タクシー事業適正化・活性化特別措置法)」だ。

 この「タクシー減車法」を乱暴に要約すると「タクシーが増えすぎたので台数は国が厳しく規制する。ドライバーの収入が不当に減らないように運賃も国が規制する」というもの。以下のような内容だ。

【1】需給調整の強化(国が「供給過剰=台数が増えすぎ」だと指定した「特定地域」では、新規参入・増車を禁止。減車の強制措置も可能。また、供給過剰のおそれのある「準特定地域」を新設し、参入・増車規制を実施)

【2】運賃規制の強化(特定地域・準特定地域では、国土交通大臣が運賃の範囲を指定し、範囲外の場合は運賃変更を命じることができる)

 法案審議過程では台数の規制が注目され、「減車法」と称されたが、運賃についての規制も厳しくなった。

 そして国が定める運賃幅(2014年4月から適用)で消費増税分が上乗せされたため、それに伴って多くのタクシー会社が値上げすることになった。他の多くの業界では増税分をどれだけ価格転嫁するかは各社の経営判断だが、タクシー業界では上限より高く値上げすることはできないし、下限より安く据え置くことも許されないのだ。

 ちなみに運賃値下げに精力的に取り組むMKタクシー(エムケイ株式会社)は今回の法改正による「値上げ強制」に抵抗して裁判所に運賃変更命令の差止を申し立て、国が定めた下限を下回る料金で営業を続けている。

 そもそも増税によって財布のヒモがこれまで以上に堅くなった消費者が、値上げされたタクシーに簡単に乗るだろうか? 規制強化派はこの規制によって「運転手の収入が安定する」というロジックだが、それが破綻していることは明白だ。

※原英史・著『日本人を縛りつける役人の掟』(小学館)より

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