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W杯日本代表戦の視聴率 初戦の結果が大会全体を左右する

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 高視聴率が期待されたサッカーW杯ブラジル大会での日本代表戦。だが、日曜10時開始のコートジボワール戦は46.6%、金曜7時開始のギリシャ戦は33.6%、水曜5時開始のコロンビア戦は37.4%と、過去の大会と比べれば、意外と伸びなかった。テレビ局関係者が話す。

「日曜の朝は在宅率が高いですから、もう少し伸びるとは思っていましたが、初戦はだいたいこの程度でしょう。2戦目は、通勤、通学時間の金曜朝は、ある程度落ち込むと予想されましたが、30%台前半まで下がるとは……。3戦目についても、過去の大会の同じ時間帯の試合と比べていい数字とは言えません。

 視聴率が落ちると、よく『NHKのBSやパブリックビューイング、ワンセグに流れた』という意見を耳にします。視聴率が悪いと必ず出てくる説ですね。でも、これらの視聴方法は今に始まったことではない。根本的な原因をそこに求めるのは、違うのではないでしょうか」

 それでは、なぜ今大会の日本戦の視聴率が低下したのだろうか。

「たとえば、1998年(フランス大会)の初出場時は壮絶な予選を勝ち抜いて、本大会開幕までの半年強、ずっとW杯の話題が絶えなかった。2002年(日韓大会)は予選こそなかったものの、自国開催で時差がなかったため、親善試合もゴールデンタイムで見られたし、何より他大会と比べるまでもなく、日本中の熱気が高まっていました。この2大会は、大会前に視聴者のボルテージを上げる良い流れがあったんです。

 それ以降は、大会開始と同時に盛り上がっていく。たとえば、ジーコ監督で臨んだ2006年(ドイツ大会)初戦のオーストラリア戦は、月曜21時50分開始で49.0%。期待の薄かった2010年(南アフリカ大会)初戦のカメルーン戦は、月曜22時50分開始で前半は44.9%。ともに、在宅率の高い時間帯にもかかわらず、50%を超えておらず、今大会の初戦であるコートジボワール戦とたいして変わりません。ただし、2010年のカメルーン戦は、後半45.5%と上がっています。

 通常、視聴率は時間が深くなるにつれ、下がるものです。それなのに、上がった理由は、前半に日本が先制したから。つまり、勝てそうな試合、期待の持てる試合の数字は上がるわけです。

 2010年大会のグループリーグ2戦目は、強豪オランダ相手でした。日曜20時10分開始という視聴率を獲るには絶好の時間帯でしたが、43.0%に終わっている。2002年大会、グループリーグ2戦目のロシア戦は、同じ日曜20時開始で66.1%を取っていましたから、『60%は無理でも50%には乗るだろう』と思われていました。それでも、伸びなかった。

 これは、『オランダ相手では勝てない』という判断から下がったのでしょう。誰も、負けそうな試合なんて見たくないという証明です。

 2010年大会のグループリーグ3戦目のデンマーク戦は深夜3時の中継開始にもかかわらず、30.5%を記録した。これは、『予選を突破できるはず』という期待が出ていたことの現われでしょう。2006年大会のグループリーグ3戦目のブラジル戦は、ほぼ同じ時間帯で視聴率は22.8%。この差はやはり、『勝てそうか否か』です。

 そして、2010年大会の決勝トーナメント1回戦となったパラグアイ戦は、火曜22時40分開始で57.3%。初戦のカメルーン戦と比べると、条件はほとんど変わらないのに、12%も上がったのです。

 要するに、視聴率を上げるには、いかに期待値を上げるかに懸かっている。だから、テレビは強豪相手にも『勝てるかも』と煽るし、決してネガティブなことはいわない。日本の視聴者は、テレビからの情報をそのまま受け取りがちな傾向にあります。でも、ギリシャ戦の数字の低さを見ると、最近はその手法も徐々に通じなくなっているのかもしれません」

 初戦の敗戦は、グループリーグ突破の可能性を低くしただけでなく、テレビ局の視聴率にも大きく響いていたようだ。

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