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松戸駅周辺をアートな街に?(1) アトリエを目指してクリエイターが集結

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首都圏のベッドタウン・千葉県松戸市。江戸時代には宿場町として栄え、現在は約48万人が住む都市へと発展した。そんな市の中心地にあたる松戸駅周辺を「MAD City」と称し、クリエイターたちが集まる”まちづくり“に取り組んでいる会社があるという。具体的にはどんな活動をしているのか? 現地を訪れてみた。

クリエイターの“脱東京”をサポートする取り組み

JR常磐線で上野駅から20分ほどの場所にある松戸駅。駅前はチェーン店の居酒屋やパチンコ店が軒をつらねており、駅から少し離れたところにはデパートの伊勢丹があり人でにぎわっている。その一方で、明治期に建てられたような古い煉瓦づくりの建物も現存していて、都市の暮らしと古き良き文化が混在する地方都市といった雰囲気を醸し出している。

そんな松戸駅から徒歩約5分の「MAD City Gallery」を拠点に活動しているのが、株式会社まちづクリエイティブ。同社ではギャラリー周辺の半径500mを核としたエリアを「MAD City(マッドシティ)」と呼び、クリエイターや地域住民と協同したイベントを催すなど、街に根ざしたさまざまな活動を展開している。

ちなみに、「MAD City」という名称には「松戸(マツド)」と、「ごちゃごちゃした変なもの(MAD)」のなかにクリエイティビティがある、という意味が込められているとか。具体的な取り組みについて、まちづクリエイティブのスタッフにお話を伺った。

「もともと、代表の寺井は渋谷を中心にマイナーなアートやスポーツといった分野で、イベント企画や活動場所の提供をサポートするNPO法人を運営していました。その活動を通してさまざまな規制の存在やクレームが発生することに気づき、都市における創造的な活動の困難さを感じたそうです。

クリエイティブな活動を志す人たちが、もっと自由に暮らすことのできる環境づくりが出来ないものかと思い、地域住民とコミュニケーションを図りながら新たな日常を育む、つまりは『まちづくり』をしていきたいと考えるようになりました。そんなとき、かつて宿場町だった歴史を持つ松戸と出会い、まちづクリエイティブを起業するに至っています」

クリエイターに物件を提供することで松戸の街を活性化

現在のおもな事業は不動産。都内のアトリエは家賃の負担が大きく、若いクリエイターが創作活動を続けながら生活していくにはハードルが高い。そもそも、利用形態が特殊なこともあり、アトリエとして使用可能な物件の数自体が少ないという。

そこで、都内に比べて中古住宅のストックや遊休物件が多く、不動産の活発な流通に乏しい地方都市に注目。住居やアトリエ・店舗の転貸を請け負うことで、クリエイターの暮らしや活動の拠点を都内から地方都市に移せるよう、「MAD City不動産」という事業をスタートした。そのモデルケースに松戸が選ばれたというわけだ。

「例えばアメリカには、ブルックリンやイーストビレッジなど、アーティストたちが廃墟に住み始め、アトリエを中心とした街をつくった事例があります。そのうち周りにおしゃれなお店などもでき、幅広い世代が集まるようになり、結果的に街としての価値もあがりました。そんな事例を参考に、地方都市の成長プログラムをつくり、松戸の活性化につなげたいと思っています」

MAD City不動産では、ある程度の広さがある物件をオーナーから借り受け、同社から希望者に貸し出すサブリースを基本としている。MAD City不動産が間に入ることで、原状回復義務が免除になる物件も多く、DIYでのセルフリノベーションなど、入居者が思い思いに改修することも可能とか。

不動産事業が発足してすぐ、駆け出しのアーティストや家具をメインに製作するクリエイターが集まり、事業開始から約4年が経過した今では、転貸や管理を合わせて、約60組がMAD City不動産の物件に入居しているそう。物件はホームページからも見ることができるのだが、「となりのゲゲゲアパート」や「20世紀隠れ家」など遊びゴコロあふれるネーミングに興味をそそられる。

【画像1】シェアアトリエとして使われている「古民家スタジオ 旧・原田米店」。築100年の古民家には現代アートの舞台で活躍する若手アーティストなどが約10組入居している(画像提供:まちづクリエイティブ)

【画像2】原状回復義務が免除されているため、部屋全体をキャンバスのようにして作品を描く入居者も(画像提供:まちづクリエイティブ)

クリエイター同士で生まれるコミュニティ

また、住まいの情報を提供するだけではなく、コミュニティの形成につながるようなアシストも積極的に実施。例えば、「MADマンション」では、住人同士の交流も盛んに行われているようだ。

「このマンションは20部屋中13部屋を『MAD City不動産』が借りて、入居者の方に転貸をしています。もともとは高齢者や女性の単身入居が多く住まれているマンションなのですが、住人同士のコミュニケーションが活発とはいえませんでした。
そんななかで、住人の皆さんが交流を深めるにはどうすればいいのか?考えた結果、ある入居者の方に、お部屋で新旧住人を招いてのお茶会を実施してもらうことにしました。その方は、将来的に独立してコーヒーに携わる仕事をしたいと思っている方だったので、快く協力してくださりました。お集まりいただいた住人の皆さんにも好評で、色々な意見を吸収したい若者と、そんな姿を住民の方が応援するという、双方にとってプラスのコミュニケーションにつながった事例だと思います」

入居者は年齢や職業もバラバラだが、普段から誰かの家でパーティーをしたり、協力し合って共有部をキレイに掃除したりといった自発的な活動も行われているという。

ときに孤独に陥りがちな、クリエイターの創作活動。そんなとき、「MADマンション」で生まれたようなコミュニティの存在は彼らの支えになるはず。そうした意味でも「MAD City不動産」が提供する「情報」や「場」の役割は大きいといえるだろう。

●MAD City
HP:https://madcity.jp/
●まちづクリエイティブ
HP:http://www.machizu-creative.com/
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/06/23/64686/

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