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ベタこそアナーキー? 志村けんが作り続けるコント

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コント番組が民放のテレビからほとんどなくなった今、ほぼ唯一コントを作り続けている芸人がいる。
それが志村けんだ。
レギュラー番組『志村座』でも、86年から続く『志村けんのバカ殿様』でも、87年から続く『志村けんのだいじょうぶだぁ』(いずれもフジテレビ)でもコントにこだわり続けている。

6月17日に放送された『だいじょうぶだぁ』もいつもどおりコント一色だった。

サラリーマン風の男二人(志村けんと上島竜兵)が酒を酌み交わしている。そこに一人のセクシーな女性(壇蜜)が「ご一緒してよろしいかしら?」と近寄ってくる。エロい期待に胸を膨らませる二人は「SとMならどっち?」などと下心丸出しの質問。それに「M……、ううん、ドMかも…」と答える壇蜜。さらに「性感帯どこかな?」と訊くと「そんな初めて会った人に……」なんて言いつつ「く・び・す・じ」と言うのだ。『だいじょうぶだぁ』は基本的に子供向けのコント番組だ。もちろんゴールデンで放送されている。だが、87年に始まった当初からこのようなお色気系コントもずっと作ってきた。それは子供こそこのようなエロを見たいはずだという信念があるのだろう。
酔いつぶれた壇蜜を二人は彼女のマンションに送り届ける。完全に酔って眠る壇蜜を見て「絶対記憶に無いぞ」と言うと「やっちゃおうか?」と志村。「だめだよ」と制す上島。すると日本エレキテル連合のコント風に二人は「いいじゃないの?」「ダメよ、ダメダメ」と言いつつ服を脱ぎ始め、なぜか男二人で抱き合うのだった。その瞬間、ハッと目を覚まし「私はどうなるのよ!」と言う壇蜜に「いいじゃないの」と返す志村。それに壇蜜がやはり日本エレキテル連合風に言うのだ。「ダメよぉ、ダメダメ!」と。

さらに別のコントでは「ご飯もお風呂も全部面倒見るから」とペットを飼いたいと母親に懇願する娘を見た志村けん扮する祖父が「ワシもペット飼ってもいいかな? メシもやるし、風呂も入れるし、全部面倒見るから」とペットを飼うことに。家族に了承を得た祖父が飼ったペットが水着姿の若い女性だったという、なんだか一部で問題になりそうなオチ。あるいは、万引き犯(ハライチ澤部)を何のボケどころも与えずひたすらスナップを効かせたツッコミではたき続けるというコントもあった。

やりたい放題である。

おそらく、志村けん以外がやれば今のテレビでは問題になってしまうであろうコントの数々が2時間にわたって放送されていた。だが、この番組が始まった80年代にはこのようなコントはテレビにあふれていた。志村けんは80年代からずっとそれを変わらずやり続けているからこそ、今でもそれが許されるのだ。作り続けた結果、80年代にはベタであったコントが、今ではもっともアナーキーで唯一無二なものになったのだ。

文=てれびのスキマ(http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)

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