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行方不明者がいる場合の相続はどのように進めればいいでしょうか?

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Q.

 父は15年前にすでに他界しております。そして、昨年母が他界しました。兄弟3人いますが、1人は10年以上行方不明な為、遺産分割協議書に記入出来ないので預金が下ろせません。どうしたらいいでしょうか??

(30代:女性)

A.

 お父様がすでに亡くなられている状態で、お母様も他界されたとのことですので、この場合、相続人はご相談者も含めたご兄弟3人で1/3ずつ相続すると言うことになります(民法887条1項900条4号)。
 もっとも、相続人が複数いる場合、相続財産は共有となりますので(民法898条)、ご指摘のように一部の相続人だけでは預金を引き出せないという事態が生じます。
 このような場合、「不在者財産管理人」という制度を活用する方法があります(民法25条以下)。この制度は、相続人が行方不明で現在の居所がわからない場合に、相続人に代わる財産管理人を裁判所に選定してもらうものです。手続きとしては、行方不明であるご兄弟が従来住んでいた住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てを行います。この際、不在者の戸籍謄本をはじめ、各種の書類を提出することになります。なお、不在者財産管理人は、財産の管理を行う権限しかありませんので(民法103条)、預金の引き出しを行うときは、あわせて「権限外行為許可」という手続きを行う必要があります。こちらも家庭裁判所への申し立てを要します。
 他方、ご兄弟は10年以上行方がわからないということですので、「失踪宣告」を行い、行方がわからないご兄弟は死亡したものとして、不在者以外の相続人で遺産分割の手続きをすすめるという方法もあります(失踪宣告は民法30条31条を参照)。ただ、こちらの方法は不在者財産管理人の制度よりも長期間の手続きを要し、(ご兄弟も死亡したものとして扱うため)ご兄弟の相続も開始するため手続きが煩雑です。
 もっとも、不在者財産管理人の制度を活用する場合でも手続きは複雑な面がありますので、いちど弁護士などの専門家にご相談の上、手続きをすすめられるのが良いかと思われます。

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