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叔父の死亡後に発覚した借金への対応はどうすべきか?

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Q.
 3週間程前に叔父が他界しました。葬儀も終わりやれやれと、思った矢先に、叔父の住んでいる近所の飲食店から叔父に借金があると、連絡がありました。
 内容を確認すると、そのお店の飲食代と叔父は癌を患っており、その病院代薬代で、現金を貸していたそうです。そういう店がもう一件有り合わせて、30万前後です。借用書は無く飲食代の伝票が有るだけです。一件払うと次々言って来るようで、心配です。それらの借金は、返済する必要は、あるのでしょうか?ちなみに、死亡届けを提出の際、戸籍上に、外国人らしき配偶者が、存在しました。

(40代:男性)

A.
 大前提として、相続では、他界された方(被相続人)の財産に属した一切の権利義務を承継するものです(民法896条参照。ただし一身専属権は除く)。したがって、叔父様が生前に借金などの債務を有していた場合、相続人には支払い義務が引き継がれてしまいます。
 そのため、ご相談いただいた事例では、

(1)まず、ご相談者自身が相続人であるかを確認する
(2)相続人である場合どのように対応するか
という順で考えることになります。

 まず相続人かどうかの確認について説明します。配偶者は常に相続人になります(民法890条)。そのため、叔父様に配偶者がいると見られるということなので、その方は常に相続人となり、借金を返済する立場となります。
 ただ、叔父様から見た場合、相談者の方は「甥」に当たります。「甥」が相続人になる場合もあります。そうすると、叔父様の借金を引き継ぐことになるので注意が必要です。
 まず、叔父様にお子様がいないことが前提です(いれば、その方が相続人となり相談者の方は借金支払い義務はありません)。次に、叔父様の父母が両方ともすでに他界していれば、叔父様と兄弟姉妹の関係にあるご相談者のお父様またはお母様が相続人となります。ここからが少し特殊で、本来相続人となるお父様またはお母様が、叔父様が亡くなる前にすでに他界されていた場合、代襲相続として、ご相談者が相続人となります(民法887条889条参照)。

 では、借金を引き継ぐ立場であるとわかった場合の対応についてです。
 叔父様がお金を借りていた先が限られていて、それを支払ってもやむなし、とお考えならば叔父様の遺産よりお金を支払った上で「他の債権債務は存在しない」旨の覚書などを相手方よりもらうというのが、債権者との間にわだかまりが残らず妥当だと思われます。
 もっとも、「借りていた先がまだまだ出てきそうだ」あるいは「遺産ではまかないきれない」と言う場合は、限定承認、もしくは相続放棄のいずれかの手段を採用する必要があります。
 限定承認とは、叔父様が残した遺産をもって負債を弁済した後に、余りが出ればそれを相続できるというものです(民法915条926条以下を参照)。
 他方で、相続放棄とは、文字通り相続する権利を一切合切放棄するものです。したがって、借金を支払わなくて済むかわりに、相続財産も得られなくなります(民法915条938条以下を参照)。
 前者は手続きが煩雑であり、債権者(お金の貸し手)を探し出したり、知らせたりする手間もあり、あまり活用されていないのが実情です。叔父様の財産にめぼしいものが無く、簡便さを重視するならば相続放棄をされるのがベターではないかと思われます。
 いずれの方法も、叔父様が亡くなられた日から3ヵ月以内に家庭裁判所に対して申し立てなどを行う必要があります(民法915条など参照)。
 もし、手続き上での不明点や限定承認を希望される場合は、正確を期すために弁護士などを頼られることをおすすめいたします。

元記事

叔父の死亡後に発覚した借金への対応はどうすべきか?

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