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大阪市「問題児童隔離」は正しい決断か?

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全国ワースト10に入る大阪の教育レベル改善に向け

先般、大阪市の教育委員会は、悪質な問題行動を起こす小中学生を「個別指導教室」に隔離、特別に指導する方針を打ち出しました。市教委が昨年9月に策定した問題行動の5段階分類のうち、「レベル4」「レベル5」に該当する児童・生徒を一か所に集めて指導する「特別教室」を新たに設けるというものです。

この件では、「どうして急に」あるいは「よく決断した」など賛否両論が飛び交っています。また、「ずさんで過激な教育改革策だ」と、了承した橋下市長への風当たりも各方面から強まる傾向にあります。しかし、橋下市長にとっては全国ワースト10に入る大阪の教育レベルを打破する取り組みの一環として、さまざまな批判を覚悟の上で取らざるを得ない強硬策だったかもしれません。

一見過激にも見える公立高校トップ10構想、学区割りの改正、民間校長の導入など、橋下氏は首長たる自身への「命題」として、府知事時代から教育改革に真摯に取り組んでいる姿がうかがえます。市長になってからは、公立中学での給食制度導入・大阪市塾代助成事業など、学習貧困者と呼ばれる児童・生徒への直接的経済援助に始まり、学校制度改革や教師をも含めた学習環境を改善する為の間接的援助をも積極的に行っています。

当事者か第三者かの立場によって価値観は異なる

この手の事案は、当事者(対象となる生徒・その他の生徒・保護者・学校)か第三者かの立場の違いにより価値観が異なります。親の立場なら「うちの子だけどうして」となるでしょう。はっきり言って私も、問題児童・生徒の担任を任せられたらきっと困惑します。「スーパー教師」が、「悪」とレッテルを張られた生徒を見違えるように変身させるTV番組とは違います。

この問題を子どもたちに質問したところ「隔離されるのは嫌だし、クラスの人が隔離されるのも嫌だ」と答えました。そこで、「君がいつもその生徒にいじめられていたらどう」と聞き直すと「離れられるとうれしい」。「君が隔離されたらどう」には「キレちゃうかも」と答えがありました。子どもたちにとっても、自分の置かれた立場で答えが180度変わるものだと再認識できます。

今回の「問題児童を特別教室に」という大阪市の決断は、「臭いものには蓋」をするようで感情的・人道的には受け入れがたい面がないとは言えません。無理やり画一的に制度化しても、問題行動を起こす子どもたちにとっても、教育する側にとってもメリットは少ないと考えられます。しかし、このことがきっかけとなり、「教育改革への取り組み」が身近な話題となれば、健全な学校づくりに多くの人が関心を寄せるでしょう。子どもたちを預かり、かつ教育に携わる者としては、改善するところは多々あったとしても、試金石としての大阪市の決断は「あり」です。

カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ :
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