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ムーミンとサンタだけじゃない! フィンランドは「残業ゼロ」の親日国だった

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6月16日の「未来世紀ジパング」(テレビ東京)は、意外な親日国フィンランドを紹介していた。郊外の公園では桜祭りが行われ、和太鼓や剣術、パラパラやアニメコスプレなど若者が楽しそうに日本文化を楽しみ、さながら「日本祭り」の様相を呈していた。

番組ゲストでフィンランド人(東京農工大学特任准教授)のシルックさんは、「日本が嫌いとかマイナスなイメージを持った人に会ったことがない」という。フィンランドが超・親日国になった歴史的な出来事や、現在のビジネスの接点を紹介していた。

100年以上前の「新渡戸裁定」でイメージ良好
日本人にとってフィンランドは、北欧デザインのインテリア雑貨やムーミン、サンタクロースなどで知られる国だ。飛行機で9時間半とヨーロッパの中で最も近く、フィンランドへの日本人観光客は毎年20%増加しているという人気ぶりだ。

一方、フィンランドが親日国になったきっかけは、100年以上前にもさかのぼる。1904年の日露戦争当時、フィンランドは帝政ロシアの支配下にあった。小さな島国である日本が大国ロシアを倒したことで、日本人へのイメージは強烈なものとなり、フィンランド独立への希望が生まれた。

1917年、ロシアからの独立を果たすが、フィンランドとスウェーデンの間に位置するオーランド諸島の領有権をめぐり、両国間で対立が起こった。それまでロシア領だったオークランド諸島をフィンランドに組み入れようとしたところ、「ロシアに占領される前はスウェーデン領だった」として、スウェーデンが待ったをかけたのだ。

1920年、両国は国際連盟に提訴。調停の責任者は、当時国際連盟の事務次長を務めていた新渡戸稲造。後に”新渡戸裁定”と呼ばれる解決方法とは、「フィンランドに主権を与えるが、言葉や文化習慣はスウェーデン式に」というものだった。

住民が古くからスウェーデン語を使っていたことを尊重し、同時にオーランド諸島に自治権を与え、非武装中立地域としたのだ。1921年、ジュネーブの国際連盟本部で調印され、一滴の血も流さず両国を平和へ導いたことは、今も語り継がれている。

仕事が残っていても帰るフィンランド人
日本の道徳心を世界に伝える意図で書かれた新渡戸の著書『武士道』には、「武士道の究極の理想は平和である」とある。オーランド総督のリンドベック氏も、フィンランド語版を持っていた。

「私はこの本に書かれている、日本の魂や考え方が好きなんです」

日本の電子部品トップメーカー村田製作所は2年前、フィンランド最大手の電子部品メーカーを買収した。フィンランド工場の管理を任されている森章さんは、残業をほとんどしないフィンランド人社員に頭を悩ませ、苦笑していた。

午後4時前後になると、社員は仕事が残っていても、どんどん帰る。3時台に帰ろうとしていたある男性社員は、「何かヘンかな?」と不思議そうに言い、別の男性も「ジョギングしたいんだよ」と、見ていて気持ちよくなるほど平気で帰宅していく。

森さんはこれに対して、残業を強制するのではなく「日本式カイゼン」で挑もうとした。作業をビデオ録画し、同じ時間内で最大の効率を目指したのである。

社員に「カイゼン」を説くのは、会社内のサウナだ。この国の公共施設には必ずサウナがあり、「武器を持たないハダカのつきあい」はフィンランド式の外交術なのだそうだ。

武士道は「日本式カイゼン」に通じる?
沸騰ナビケ―ターの太田泰彦氏(日本経済新聞・論説委員)は、「新渡戸の『武士道』にも『最善の方法とは、もっとも効率的でもっとも優美なやり方である』とあり、日本式カイゼンにも通じる」と説明していた。

ただ、日本びいきの話はありがたいが、残業ゼロのフィンランド人と比べて、現状の日本では長時間労働が問題になっていることを思うと、「優美なやり方」とはほど遠いと感じる。

よかったのは、村田製作所の森さんが、日本式カイゼンを求める方法にフィンランド式で頑張っていたことだ。どのくらい理解を得られたかは分からないが、日本式を一方的に押し付けるようでは、せっかくの親日も台無しになる。(ライター:okei)

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