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世界に冠たる日本発ベンチャーは生まれるか?

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世界では、ようやく10歳を迎えたベンチャー企業が大躍進

2014年5月末の「世界時価総額ランキング」は、実に興味深いランキングです。オールドカンパニーがひしめく中、1位はアップルの55兆4188億円(為替レート1ドル101.63円換算)。3位のグーグルは39兆1946億円、36位のフェイスブックは16兆5047億円。日本最高位で、ベスト50に唯一ランクインしている32位のトヨタ自動車ですら、18兆2222億円です。

業歴をみると、アップル創業は1976年(解任された創業者スティーブ・ジョブズが、ひん死のアップル社長に復帰した1997年が実質的な第二創業年)、グーグル1998年、フェイスブックに至っては2004年。ようやく10歳を迎えたベンチャー企業が、日本トップのトヨタ自動車に迫る16兆円もの時価総額を稼ぎ出しています。失われた20年にあえぐ日本を横目に産声を上げ、世界に冠たる企業に成長する凄まじいスピードの格差はどこからくるのでしょうか。

産業の新陳代謝を促進する「緊急構造改革プログラム」を提示

5月16日に提出された「日本再興戦略の改訂について(素案)」によると、日本産業再興プランにおいて「緊急構造改革プログラム(産業の新陳代謝の促進)」を掲げ、コーポレートガバナンスの強化、リスクマネーの供給促進、インベストメント・チェーンの高度化が盛り込まれています。特筆すべきは「ベンチャー創造協議会(仮)」を立ち上げ、政府調達による参入促進、起業家教育などの支援体制を整えるとしている点が画期的。ただ、規制緩和は歓迎ながら、官製支援組織がどこまで機能するかは未知数です。

映画「スティーブ・ジョブズ」で描かれたように、資金はないが「Macで世界に革命を起こす」と野心を燃やす創業期のベンチャーに、25万ドルを投資したのが当時インテルに勤めていたマイク・マークラ(後のアップル2代目CEO)。アップル上場時には、時価は約1000倍に拡大したというから驚きです。この資金が、「時価総額世界一企業を生んだ、最も価値あるベンチャー投資」といわれています。

日本は間接金融、欧米は直接金融が主体です。一般的に民間の創業資金の供給元は、信用金庫・信用組合です。事業が軌道に乗り、第二地銀から第一地銀、そして都市銀行に変遷します。欧米が「エンジェル→ベンチャー→バイアウト→ヘッジファンド」など、ステージごとに資金の供給先が遷移するのと対照的です。間接金融は預金を融資(デット)するため、必然的にリスクマネーを供給しづらい(十分な担保取得)という特徴があります。一方、直接金融は返済義務のない資本(エクイティ)に投資するリスクマネーを供給するため、間接金融以上の目利き力が要求されます。

注目される新たな資金調達手法「クラウドファンディング」

こうした中、注目される手法が「クラウドファンディング(Crowd Funding=群衆による資金調達)」です。町工場の社長の、ちょっとしたアイデアにも不特定多数の投資家から資金を調達できます。リターンの形態により、寄付型、投資型、購入型に分類されます。

この5月、「改正金融商品取引法」が成立(施行は今年度中)。業者登録に必要な最低資本金を、第一種金融商品取引業者は現行の5000万円から1000万円に、第二種金融商品取引業者は1000万円から500万円に参入要件が緩和されました。さらに非上場株式の勧誘を少額(発行総額1億円未満、一人当たり投資額50万円以下)のクラウドファンディングに限って解禁するなど、新規・成長企業へのリスクマネーの供給を促進しています。

日本も企業の延命策偏重にピリオドを打ち、新陳代謝にシフト

わずか17年前は倒産寸前であったアップルが、今や16兆円を保有するキャッシュリッチ企業に成長。今年初頭、アップルによる日本のベンチャーの先がけ、ソニーの買収説が囁かれるなど、ベンチャーの栄枯盛衰は冷淡ながら、起死回生の可能性に満ちあふれています。

ようやく日本も企業の延命策偏重にピリオドを打ち、新陳代謝(転廃業勧奨)にシフト。揺るぎない大志を抱き、世界に打って出る10年後のアップル、グーグル、フェイスブックを日本から輩出してほしいものです。

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