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ノンアルビール好調 本格泡で「ランチビール」の需要に対応

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 蒸し暑い日が続く中、外出先でお酒を飲む機会も増えてきたのではなかろうか。ただ、近年は「アルコール離れ」が進み、国民全体の酒類消費量は1996年のピーク時より1割減っている。そこで、年々市場が拡大しているのがノンアルコール飲料だ。

 特に、ビールメーカー各社が味の改良や営業に力を入れているのが、ノンアルコールビールのジャンルである。

 調査会社の富士経済によれば、ノンアルコールビールの市場規模は628億円(2013年見込み)。キリンビールが「アルコール分0.00%」の『キリンフリー』を発売してブームに火をつけた2009年は198億円だったので、それ以降も堅調に市場を伸ばしてきたことになる。

 一部で「ノンアルコール人気は一巡した」との報道も出たが、根強い需要を喚起しているのはなぜか。飲料総研の宮下和浩取締役はこう見る。

「もともとノンアルコール飲料はお酒の代替品としての売り出し方が強かったので、お酒好きの人が運転中や打ち合わせ中などに“仕方なく”ノンアルビールを飲むケースが多かった。だから、商品パッケージもビールに限りなく近づけていました。

 それが、サントリー酒類が2010年に『オールフリー』を出したことで状況は一変します。白いパッケージがビールっぽくないうえに、アルコール・カロリー・糖質がゼロという健康訴求をしたことで、これまでビールを飲まなかったような女性まで取り込んでしまったのです」

 サントリーのブランド戦略担当者が当時、<女性が掃除機をかけた後や塾のお迎え前などに気軽に飲んでもらえる商品に仕上げた>と語っていたように、ノンアルビールは女性を中心に「まったく新しい飲み物」として認知度を上げ続けてきたのだ。

 そして今、ノンアルビールの市場は「よりビールに近い本格タイプ」が再び盛り返してきた。主役となっているのは、2012年の発売で後発ながらサントリーのオールフリーと激しいトップブランド争いを繰り広げているアサヒビールの『ドライゼロ』だ。

 6月18日に東京・有明のビッグサイトで開催されたカフェ・喫茶の食材・設備・用品等の産業展示会『カフェ・喫茶ショー2014』。会場内で飲食店経営者らの長い行列ができていたのがドライゼロの試飲ブースだった。

 単なる商品の試飲会ではない。アサヒが飲食店向けに独自開発した専用サーバー端末「クリーミーフォーマー」を使って、超音波の働きによりノンアルビールにきめ細かい泡を作り出す実演をしていたのだ。注ぎ終わったドライゼロは、まさにビールそのもの。

「ドライゼロをメニューに加えていただいた飲食店さんには無料でサーバーをお配りしています。昨年ドライゼロは“よりビールらしい味わい”に近づけるため、原材料の改良でクリーミーな泡持ちを向上させました。さらに、サーバーの泡で中身を閉じ込めることで、すっきりとした風味も際立ちます」(アサヒビール・マーケティング担当者)

 アサヒは昼営業の飲食店に攻勢をかけることによって、「ランチビール」の潜在需要も取り込もうとしている。

「日中でも女子会やママ友会、ちょっとしたパーティーなどで、お酒を飲むと周囲の視線が気になるけれど、雰囲気だけ楽しみたいという人たちは多い。そんな需要を掘り起こしたい飲食店と、アルコール離れの消費者をノンアル飲料で繋ぎ止めたいメーカーの思惑は一致しています」(前出・宮下氏)

 6月10日には黒ビール風の「ドライゼロブラック」を発売して、さらに本格志向で勝負をかけるアサヒ。

 ノンアル飲料はカクテルテイストやチューハイテイストなど、様々な広がりを見せる中、<ビール風味の発泡飲料>はどこまで消費者を“酔わせる”ことができるか。



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