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女心をくすぐる太宰治の魅力とは

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 突然ですが、みなさんは太宰治、好きですか?
 私、新刊JPライターの浅田は、太宰治が大好きです。書き方のせいなのか、内容のせいなのか、太宰治の作品には独特な魅力がありますよね。太宰を読んでいると、不思議と胸がキュンキュンしてしまいます。
 というわけで、今回はそんな太宰治の短編小説「人間失格」と「斜陽」を参考にしながら、太宰治の魅力とは何なのか、23歳の女性ライターが迫ってみたいと思います。

■守ってあげたくなるような「弱さ」
 太宰の魅力といえば、やっぱり「弱さ」ではないでしょうか。かの有名な「人間失格」の冒頭。

恥の多い生涯を送って来ました。
自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです。
(「人間失格」より)

 この言葉にはじまり、あまりの繊細さ・弱さに驚いてしまいます。もちろん、どこからが本心で、どこからがポーズなのかは分からないのですが、それでも太宰の弱さには守ってあげたくなる何かが潜んでいます。まさに、母性本能をくすぐられるという感じです。
 また、「斜陽」の中に次のような文章があります。

生きている事。ああ、それは、何というやりきれない息もたえだえの大事業であろうか。(「斜陽」より)

 太宰にとって、おそらく生きていくということは、それだけで大変なことだったのでしょう。太宰は女性遍歴や自殺未遂といった破滅的な私生活で知られていますが、繊細な太宰にとって、それは避けようのないことだったのかもしれません。

■粘着力のある文章
 太宰治の繊細な感性は、太宰独特ともいえる、粘着力のある文章によって綴られています。少し長いですが、「斜陽」から鬼気迫る文章を抜粋します。

私の胸の虹は、炎の橋です。胸が焼きこげるほどの思いなのです。麻薬中毒者が、麻薬が切れて薬を求める時の気持だって、これほどつらくはないでしょう。間違ってはいない、よこしまではないと思いながらも、ふっと、私、たいへんな、大馬鹿の事をしようとしているのではないかしら、と思って、ぞっとする事もあるんです。発狂しているのではないかしらと反省する、そんな気持も、たくさんあるんです。でも、私だって、冷静に計画している事もあるんです。本当に、こちらへいちどいらして下さい。いつ、いらして下さっても大丈夫。私はどこへも行かずに、いつもお待ちしています。私を信じて下さい。(「斜陽」より)

 これは、主人公の「私」(かず子)が、思慕している上原という男へ手紙を送る場面。狂気に近いほどの「会いたい」という気持ちが伝わってくる、名文ではないでしょうか。とても70年近く前に書かれた文章とは思えません。

 いまだに人々の心をつかんでやまない、太宰治。
 そんな文豪・太宰治の誕生日であり、遺体が発見された命日でもある6月19日は、「桜桃忌」と呼ばれ、今でも太宰ファンにとって大事な日となっています。
 そんな日はみなさんも、太宰治に心をはせてみてください。
(新刊JP編集部/浅田由妃)



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