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黒夢、シリーズライヴ『地獄ノ三夜』が大阪にて感動の千秋楽!

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6月8日にZepp Nambaにてシリーズライヴ『地獄ノ三夜』の千秋楽を迎えた、黒夢。同ライヴでの清春のMCと、最新インタビューから“衝動の在り処”と、次期ツアー『夢は鞭』の真意を探る!

6月8日@Zepp Namba (okmusic UP's)

「(かつての自分たちは)ヴィジュアル系というものになろうとしてたわけではなく、何かを表現しようとして、もがいていたんだと、改めて感じることができました」

6月8日、午後8時30分。清春はZepp Nambaのステージ上から客席に向け、そう告げていた。去る4月から展開されてきた黒夢のシリーズ・ライヴ『地獄ノ三夜』が完結に至った直後のことだった。東京、名古屋、大阪の三都市で「生前」「脱皮」「奈落」という命題を掲げながら三夜ずつ行なわれてきたこのライヴの、九番目の夜だった。

“ライヴ”というおきまりの表記をしてしまったが、いわゆるロック・バンドによるライヴのあり方を完全に逸脱/超越したそのステージは、まさに舞台芸術と呼ぶに相応しいものだった。各公演では最後の最後、清春と人時がサポート・ミュージシャンたちとともにカーテンコールに応えて客席に挨拶。そのさまもまるで演劇さながらで、この『地獄ノ三夜』と題しながらの“インディーズ期の楽曲限定ライヴ”が、まるで現実のものではないかのような不思議な余韻をもたらしていた。ちなみにこれら一連の公演について、映像商品化される予定は皆無だという。

冒頭に引用した終演間際のMCから何よりも強く感じられたのは、自分たちが20年以上前から“既存のものとは違う何か”を生み出そうとしていたという自覚と誇りだった。もちろん彼らにだって、ルーツもあれば憧憬の対象もいた。が、たとえば黒夢にはいまだに“ヴィジュアル系の先駆者”といった形容をされることが多々あるが、それがジャンルとして確立されたのちに、その枠のそれを利用して理想や名声を求める者たちとは最初から明らかに次元が違っていたのだ。加えて、やはりそのMCの流れのなかで清春は、「今回の公演はコンサートではなく、一個の見世物を作るという感覚だった」、「23年前に僕らがやっていたことを今のベスト(な状態)で、できるだけ23年前に近く(やろうとした)」とも語っていた。さらには少しばかり冗談めかした口調で「これが黒夢の現状だと思われると不本意」だと言って笑いながら「想像していなかった、想像以上のことが今回できた」と客席に告げていた。

この先、7月から来年の2月にかけては、『夢は鞭』と銘打ちながらの濃密でしかも長期にわたる全国ツアーが予定されており、すでに7月から10月にかけての公演チケットについては一般販売が開始されている。が、そのツアーの着地点となる2015年2月9日(言うまでもなく黒夢のデビュー記念日である)以降の活動のあり方については現在のところ何ひとつ明かされていない。そこで今回、『地獄ノ三夜』終結に際しながら清春に話を聞いてみると、まず「これは奇跡であって、しかも運命なんだと思う」という意味深長な言葉が返ってきた。彼は、7月以降のツアーについて、次のように語っている。

「連続的に全国をまわるという意味では、これが最後のツアーになるかなとも感じてます。べつに今さら解散するとかそういうことではないけど。たとえばこのツアーには意図的なくらい名古屋でのライヴが多くなってるんですけど、その意味もそういうところに重なってくる。近年、いろんなバンドが再結成してるけども、そのなかでも最初に復活を遂げた黒夢の“黒い夢”が、来年の2月9日でさめることになるんじゃないですかね。そこから黒夢は、またしばらく永い眠りにつくことになると思う」

「今、いろんなバンドが精力的にツアーをしてますよね。だけどなんか、みんな時間を大事にできてないように思うんです。やれるうちは可能な限りライヴをやっていようとしてるかのように見えるところがある。僕らの場合、復活というのはそういうものではない。これはある意味、奇跡なんです。その奇跡のなかでいろんな気持ちの変化が起きたりもして、その結果、こうして人時君とも非常に上手くいってるわけだけど、そこでやろうとしてるのは、“15年前にちゃんと終わりにできなかったものを、ちゃんと終わりにしようとしている”ということで。だからこんな全国ツアーという意味においては、これがおそらく最後ということになっても」

確かに復活を遂げたバンドの多くには“熱いうちに徹底的にライヴを”という傾向が観られ、ここから先に控えている黒夢のツアーにもまた、そうした性質のものに見えなくもない部分がある。が、こうした清春の言葉から推察できるのは、このツアーの先にこそ、成熟を経た関係性にある現在の清春と人時による、新たな自然体に基づいた在り方が始まることになるのではないか、ということだ。清春はさらに、次のようにも語っている。

「たとえば5年前の自分たちには、今みたいな状態というのは考えられなかったわけです。こんなにも長いツアーをやるようになるなんて。ただ、今回やってきた『地獄ノ三夜』にしても、インディーズ時代の再現とかをやっているバンドは他にもたくさんある。ですが、どれとも意味がまったく違うんだと思う。7月からのツアーというのも、僕らの歴史に照らし合わせてみれば『CORKDCREW』当時のツアーのリヴァイヴァルみたいなところがあるし、それもまた20周年の一環としての活動展開ではあるけども、間違ってもこれはノスタルジックなものではないし、その次にまた同じようなツアーをやるわけじゃないってことは言っておきたいですね。僕らはそんなに都合良く“復活”というワードを使いながら黒夢を続けようとはしてない。ストレートに言えば、新しいアルバムを作らずにツアーをするようなことはこの先ないだろうし……。そうやって考えれば考えるほど、本当にこれは奇跡であって、始まりも終わりも運命なんだって感じるんです。そして、何事も永遠にやれるものではない。だからこそ本当にやりたいことしかやりたくないし、これは自分たちにとって、当たり前のように成立してるものではないからこそね」

その先を、清春は明言しなかった。が、その沈黙が意味していたのは、黒夢を“当たり前に存在し続けるもの”だと見るべきではないということではないだろうか。清春と人時にとって、何よりも特別な存在である黒夢。だからこそそれは、これからも特別なものであり続けていく。まずは7月からの『夢は鞭』での特別な瞬間の連続に、少しでも多くの機会に触れたいものである。もちろん、まだ黒夢のライヴに触れたことのない人たちにもその機会を逸して欲しくないし、黒夢の影響下にあることを自認する人たちにも彼らの“志”の在り処というものに改めて目を向けて欲しい。最後にもうひとつだけ、この『地獄ノ三夜』最終夜に清春がステージ上で口にした言葉を紹介しておこう。

「(7月からの『夢は鞭』は)1999年活動休止当時できなかったこと……ひとつの区切りを楽しめるツアー。かならず見ておいてください。僕らの存在を」

2014年にしか触れることのできない黒夢の姿が、間違いなくそこにあるはずだ。

TEXT:増田勇一

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