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初挑戦!大規模タワーマンションで全員参加型の防災訓練

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3.11東日本大震災以降、災害に対する関心は高まっているものの、実際マンションで遭遇した場合、どうすればいいのか不安に思っている人も多いはず。そこでお勧めしたいのが、地元で行われる防災訓練への参加だ。今回、5月25日(日)に52階建て・世帯数約600という大規模な「プラウドタワー東雲キャナルコート」で湾岸タワーマンション初となる防災訓練が行われたので取材した。

いざ本番! 52階の各フロアで防災リーダーが住人の安否を確認朝9時55分、事前に訓練開始の放送をしたのち、10時に地震発生。全館放送が流れ、住人は各フロアのエレベーター前に集合。あらかじめ各フロアで決められた防災リーダーが階別安否情報シートに各部屋の安否を記入する。エレベーター前に来なかった住人がいたらインターホンを押して不在か否かを確認。その後、防災リーダーは防災倉庫が設置されている拠点階ごとに集合。倉庫からトランシーバーを取り出して、防災センターに設置されている防災本部に安否状況を報告する。

この安否確認の実践とマンションが停電した場合、各住戸に設置されている貯湯タンクを生活用水として使ってみる訓練、この2つが今回の防災訓練の大きな目的だ。

【画像1】防災センターの地震発生の全館放送により防災訓練がスタート(写真撮影:平野ゆかり)

【画像2】こちらは各階の防災リーダーが拠点階に集まり各フロアの状況を報告(写真撮影:平野ゆかり)

防災訓練のために1年かけてコミュニティづくり防災訓練はあちこちで行われているが、こと湾岸のタワーマンションでの防災訓練は、ここが初めて。だからどのような訓練をするか、マニュアルづくりもゼロからスタートしている。そもそも今回の防災訓練を企画したのは同マンションの理事会。理事長である副島さんは、千葉県で3.11に被災。

「そのマンションには知り合いがほとんどいなかったんです。電気や水、エレベーターが止まってもどうしていいか誰も分からないんです。本当に困った。このマンションができて1年前に引越してきましたが、放っておいたらこのマンションもそうなるだろうと思いました。それではダメなんです!」と自ら理事に立候補。3.11以降だったこともあり入居者の意識も高く、21人の理事のうち18人が立候補だったという。

管理組合発足後、理事会を中心に充実した共用施設をフル活用しながらフロア別、出身県別パーティー、子育てママのしゃべくり会、カラオケ大会など次々にイベントを実施(http://suumo.jp/journal/2014/01/06/56874/)。1年かけてコミュニティを築き、入居者同士顔が分かりあえるようになり、ようやく今回の防災訓練を実施できるようになった。なんと600世帯中約370世帯の参加があり、参加率60%を超える大イベントとなった。

【画像3】第1回の総会で自ら立候補して理事となり、入居者同士のコミュニティづくりに取り組んできた第1期理事長の副島規正さん(写真撮影:平野ゆかり)

事前の研修のおかげで、より実践的な訓練に防災訓練の企画は理事会でしたが、運営は50人の防災リーダーによるもの。この日に至るまでに何度か研修を重ねている。「実践的に使えないと意味がない、研修することでいろいろな不具合も分かってきました」と副島さん。

当初、このマンション内にいくつかある防災倉庫の鍵は1階にしかなく、あまりに不便だったので防災倉庫のある各拠点階の非常時エレベーターのホールに置くことに。トランシーバーは高層階には届かないことも分かり25階に中継点を置いた。こういった研修のおかげで、今回の安否確認は予定時間の30分以内でスムーズに終了した。トランシーバーの取り扱いや声の届きにくさなど、実践で気づいたことも多いようだ。

AED訓練や防災各ブースを見学、さらに自宅で停電体験も【画像4】エントランスロビーでAED訓練。消防署員の説明の後、実際に自分たちで使い方を確認。関心が高く多くの住人が集まり自ら体験した(画像提供:峰脇英樹)

安否確認の終了後はAED訓練や消火訓練、防災備品販売会など10のブースに分かれて見学したり体験したり。敷地内には消防自動車が2台来て、子どもたちはファイアーマンの制服を着るなど楽しい雰囲気。ロビーではAEDの使用方法についての講習が行われ大勢が熱心に体験した。

「夫は心臓が弱いので、使い方を聞けてよかった」「子どもの場合、シートを重ねてはいけないなどの使い方を教えてもらいました」「一度やってみて、やりかたが分かってよかった」などの声。また「地下の防災倉庫まで22階から非常階段で下りてみました。帰りも上ってみるつもり」というシニアカップルも。

それぞれのブースを終了したら自宅へ。各住戸に戻って、ブレーカーを落として停電を体験する。電気を使わずに昼食をとる、冷蔵庫の中身をクーラーボックスに移す、水道を使わずにトイレを流す、そして貯湯タンクの使用だ。

「3.11のとき、2日間水が止まったんです。たった2日でも非常に困りました」と水の大切さを痛感した副島さん。このマンションはオール電化で各住戸に370リットルの貯湯タンクがあるのが特徴。災害時には自宅での避難が求められるが、電気が止まると水も止まる。そこでこの貯湯タンクから手動で水を出す訓練をしたのだ。

【画像5】タンクから水を取り出すことに成功!(写真撮影:平野ゆかり)

【画像6】停電時での食事を体験。用意しておいた保存食の炊き込みご飯をお湯でもどして試食(写真撮影:平野ゆかり)

個別体験を見学させてもらったお宅では家族が一致団結。ブレーカーをおとし、真っ暗になった部屋で、まず冷蔵庫の中身をクーラーボックスに移して保存。停電時には自動で水が流れなくなるので、トイレのタンクに残った水を手動つまみを使って流してみる。そして貯湯タンクの手動への切り替えとマニュアルにしたがって実施してみた。真っ暗かつ狭いスペースで初めての作業は思った以上に大変そうだったが、子どもたちが懐中電灯で光をあて、お父さんの作業を応援。

しっかり訓練をやり終えたあとに、お湯をさして20分でできるアルファ化米を試食。停電時の不便さを実感しながら、「犬のごはんも備蓄しておかないといけないね」など備蓄についての関心が高まっていた。
管理会社だけでなく消防署、江東区も参加した全員参加型の防災訓練は約1000人の参加を得て無事に終了。災害はいつ起こるか分からないが、あわてずに対処するために、このような非常時を1年に1度でもシミュレーションしておくのはとても大切だと痛感した今回の取材だった。

元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/06/13/64311/

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