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芸能界薬物汚染なくならぬのは身内の大メディア甘やかすから

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 CHAGE and ASKAのASKA(本名・宮崎重明)が覚醒剤所持で逮捕され、またも芸能界の薬物汚染が明るみに出た。

 薬物関係で言えば、覚醒剤を常用し、発覚を恐れて逃亡した女優の酒井法子や、覚せい剤取締法違反などで5回の逮捕歴があるタレントの田代まさしなどは、事件当初こそ「容疑者」「被告」として厳しく報じられたものの(そもそもタレントの「格」によって扱いが違うこと自体がおかしいが)、いずれも服役後は芸能界復帰を果たし、その際にはテレビも新聞も“良いニュース”のように扱った。

 もちろん、そのように報じた大メディアにも彼らは堂々と出演した。田代などは芸能人仲間から涙で迎えられるといった臭い演出でテレビに再登場し、すぐまた犯罪を繰り返して画面から消えることになったのだ。

 今回のASKA事件でも、すでにワイドショーなどでは「友人」「知人」を自任する芸能人たちが擁護論を語るなど(もちろん覚醒剤について擁護する者はいないが、人となりや業績を称賛するコメントは多い)、さすが大物アーティストと感じさせる“特別待遇”である。いつか彼が芸能活動を再開したら、きっとまた大メディアは美談として取り上げるのだろう。

 事件の背景に芸能界の薬物汚染があると指摘した朝日新聞は、その点に踏み込まない他紙よりは誠実かもしれないが、その解説記事(5月19日付)のなかでは〈2009年には、人気女性タレントが夫と覚醒剤を使い、逃亡の末に逮捕された。覚醒剤やコカインを使い、何度も逮捕された元タレントは公判で「期待されるプレッシャーがあった」と話した〉と記述し、罪を犯した芸能人に大変な気の使いようである。言うまでもなく、記事に書かれているのは上記の酒井法子と田代まさしのことである。

 もちろん、罪を償った元犯罪者が社会復帰するのは良いことだし、すでに服役した元犯罪者に対する人権上の配慮もあってよい。しかし、それならどの犯罪者に対しても同じように温かい目で報じるのでなければ公平・中立の報道機関とは言えない。覚醒剤所持で逮捕され、懲戒免職となった福岡県の小学校校長が再び教職に就くとしても、大新聞やテレビは「良かった」「美談だ」と歓迎するだろうか。

 この事件では、子供たちを薬物汚染から守る観点から責任ある教育者の犯罪は許し難いという論調で各メディアが足並みを揃えていたが、それを言うなら芸能人こそ厳しく断罪し、どれだけ悪い事をしたかを徹底的に世間に伝えるべきだろう。どんな時代でも(古き良き時代は違ったのかもしれないが)、校長先生と人気タレントのどちらに子供たちが親しみと尊敬を抱くか、ここではっきり書くのも野暮というものである。

 罪を償った者に対する報道という点でも、一般人ならともかく、社会的影響の大きい著名人の事件であれば、服役後も実名報道が原則だろう。政治家の汚職事件などで、「当時の建設大臣が収賄で逮捕された」などと書くケースもたまに目にするが、実名で書くケースとどう違うのかは不明確で、ここでも特定の者に対する〝配慮〟の匂いが感じられる。

 芸能界の薬物汚染が一向になくならないのは、“身内”の大メディアが彼らを甘やかし、本気で追及しようとしないからだ。

※SAPIO2014年7月号



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